著者
加護野 忠男 上野 恭裕 吉村 典久
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.4-14, 2006-12-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
15

本社は小さければ小さいほど良いという常識がある.小論はこの常識が正しいかどうかを確かめようとしたものである.本社は,ガバナンス,戦略調整,資源配分,共通サービス提供という4つの機能を果たしている.日本企業の本社は海外,特にイギリスと比べると大きい.しかし,その大きさが日本企業の業績にマイナスの影響を及ぼしているのではない.日本企業のデータからは,本社を小さくすれば高い成果が得られるということを支持するデータは得られなかった.むしろ,本社規模を縮減した企業は業績を低下させているという事実が明らかになった.
著者
上野 恭裕
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.21-32, 2004-03-20 (Released:2022-08-03)
参考文献数
29

現在の日本企業は事業集中を進めているが,関連型多角化も行われている.組織構造は事業部制組織が一般的だが,職能別組織も依然として重要な地位を占めている.また事業部制組織も欧米のものとは異なり,分権化の程度は低く,日本独特の混合型も多く存在する.組織は戦略に従うという命題は支持されるが,組織構造には多様性も存在する.日本企業は環境の変化に対応して組織改革を行っており,その道筋は多様である.