著者
関本 理佳 村山 浩 上野 晴樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.207-208, 1991-02-25

現在のプログラミング環境ではプログラム理解の能力を持たないので,プログラムを作成しても文法チェックしかしてくれず,またそれも分かりにくいメッセージであることが多い。まして簡単な論理ミスばかりでなくスペルミスさえも補正してくれない。これらは全てプログラマの負担となっている。人間のチュータがミスを含んだプログラムを読む時は,ミスの原因や訂正の方法を同定することが出来る。そこで我々は,人間のチュータの役割をコンピュータが代行するような教育向き知的プログラミング支援環境の開発を行っている。本稿では,実験に基づく論理エラーの分類と意図理解への応用について述べる。
著者
コバチ アレクサンダー 上野 晴樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.4, pp.282, 2004

In this report we describe the architecture of our gourmet advisor and the lessons we have learned from building it. Our gourmet advisor (restaurant finder) is based on the concept of a complex adaptive information system, as proposed in [1], and is being developed as a proof of concept of this notion.[1] Alexander I. Kovács and Haruki Ueno, Towards Complex Adaptive Information Systems, 30 October 2003, Proceedings of ICITA'2004
著者
上野 晴樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.548, pp.19-24, 2005-01-10

なぜ文化とAIなのか。AIが心の心理学モデルであるならば、当然その研究者の心理学の理解に基づいているわけであるし、想定している応用システムのユーザが一般の人々であるならば、当然そのユーザは人とシステムとの関係についてある種の"関係のあり方"をごく自然に持っているはずである。知能システムの設計は、研究者やユーザの思考法に基づくはずであり、それは彼らの属する伝統文化あるいは地域文化に基づいていると考えるのが自然であろう。一方、AIは科学技術であるから、AIに関する理解もグローバルであるはずであると信じ込んでいる研究者がほとんどであるように感じられる。むしろ違いを意識することが創造に繋がるのではないかと思う。芸術や建築の世界でも日本の伝統文化を意識している人々のほうが国際的にも高く評価されていることを考えれば、納得していただけるのではないか。著者の研究成果も多少織り交ぜながらAIの文化論を述べてみたい。
著者
柴田 昌宏 台良 剛 上野 晴樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.436-437, 1997-09-24
被引用文献数
1

知識ベースシステムの開発, あるいは知識工学の分野において, 対象となる問題領域の専門家(エキスパート)の知識をどのような形式で表現するかという知識表現(Knowledge Representation)の問題は, 知識の獲得・利用と並ぶ問題解決上の最重要課題の一つである。当研究室では, M.Minskyにより提案されたフレーム理論に基づく知識表現方式を採用した知識工学環境ZEROの研究, 開発および, その利用を進めている。ZEROはこれまで, InterLisp環境やCommomLisp環境およびC++において実現され, 知的プログラミング環境INTELLITUTORや, 自律型人型知的サービスロボットHARISをはじめとした様々な応用に用いられている。C++版のZEROは, CやC++で記述された手続きやオブジェクトと, 知識ベースとしてのフレームシステムを融合する, という要求を満たすために, フレームシステムと類似点を持つC++によってインプリメントすることで, 実用性の向上を実現したシステムである。ただし, 94年度に開発されたこのC++版のZEROは, いくつかの理由から部分的な利用にとどまっている。本報告におけるZEROシステム (以下, ZERO++と記す)は, 94年度に開発されたC++版のZEROに改良を加え, 設計方針とそのモジュール構成を明らかにし, さらなる改良をしやすくすることがその目的である。また, 現在我々が開発中であるロボットシステムは, C++版ZEROの本格的な応用システムであり, このシステムが本来必要としている, 複数モジュールからの単一知識ベースの共有, 実行時の並列動作といった機能をZERO++で実現することもその大きな目的の一つである。本研究の目的をまとめると主に次の4つである。● インタフェースと知識表現の分離率, ● ネットワーク化による資源の共有と並列処理事, ● 分散環境化, ● 自律型人型知的サービスロボットHARISのソフトウェアプラットフォームとしての利用, なお, ZERO++は, Sun WS上で, X-Windowシステム(XllR6)とGNU g++を用いて開発している。
著者
田口 信一 深瀬 仁 今崎 光勇 上野 晴樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.437-438, 1992-09-28

データベースは,高度情報化社会において非常に重要な位置にあり,様々な分野に導入されている.このデータベースの索引,検索するのに利用されるものとしてシソーラスがある.しかし,シソーラスを構築する上で幾つか問題点があるため,標準化されたシソーラスを構築することが困難である.よって,本稿では,主題分野について深く認識のある専門家が,シソーラスを構築する過程においてユーザをサポー卜するシステム,"THEMSYS"の開発について述べる.
著者
荻原 哲也 上野 晴樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.133-134, 1995-03-15

我々は,約10年をかけてプログラミング教育向きの統合型知的プログラミング環境INTELLITUTORの開発を行ってきた.理系大学におけるアルゴリズム中心型のプログラミング教育の中で利用されることを意図している.主として,Pascalによるクイックソートプログラムを例題として,システム開発や評価を行ってきた.INTELLITUTORシステムは,プログラム入力支援システムGUIDE,論理ミスの検出,意図の推定,訂正の助言を行うプログラム理解システムALPUS,および,プログラミング知識の教授を行う知的CAIシステムTUTORから構成される.一方,近年,C言語がパーソナルコンピュータ,ワークステーションなどの小型コンピュータの世界で広く普及しつつあることを背景として,Pascalに代わってCの教育が行われるようになってきた.こうした背景に対応するために,INTELLITUTORを両言語対応に拡張しつつある.これにともなって,サブシステムであるALPUSも拡張を行っているが,その方法として,両言語で書かれたプログラムを一度言語独立な抽象表現に書き換えてから理解処理を行うやり方を採用した.本稿では,C言語プログラムを抽象化する方法とその能力の汎用化について報告する.なお,C言語はANSICとする.