著者
山内 常生 下 道国
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.435-446, 1982-09-25 (Released:2010-03-11)
参考文献数
9
被引用文献数
6 7

The concentration of 222Rn in air in the gallery at Mikawa. Crustal Movement Observatory (Toyohashi City, central Japan) has been continuously measured with a flow-type ionization chamber since April, 1977 for the investigation of pre-earthquake anomalies. The observed 222Rn concentration shows remarkable increase after rainfall. It seems that 222Rn rich air is squeezed in the gallery by the contractile force caused by rainfalls from faults with elevated 226Ra content. The variation of 222Rn concentration in the gallery has been calculated from the rainfall data from June, 1977 to December, 1979. Sometimes remarkable disagreements between the observed and calculated values of the 222Rn concentration are seen before and after the occurrence of nearby earthquakes. Such a disagreement might be a precursor of nearby earthquake. The concentration of 222Rn is also influenced by the changes in atomospheric pressure; it increases as the pressure drops and decreases as the pressure rises. Seasonal variations are recognized, too. Continuous observation of 222Rn has also been started in June, 1980 at Kikugawa Crustal Movement Observational Station (Shizuoka Prefecture, central Japan).
著者
中島 敬行 鄭 台洙 飯田 孝夫 下 道国
出版者
名古屋大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1990

本研究を通して次の事実が明らかとなった。(1)3″φNaI検出器の宇宙線線束密度を決めるには、地球起源の放射性核種からの光子に重なる3MeV以下の分布の形を決めることが重要であること。本研究では長岡らの実験的方法を採用した。その結果3MeV以上の計数を4.35倍すれば宇宙線線束密度が得られることがわかった。(2)宇宙線成分の線束密度を秋,冬で決定した(1992年10月;φμ=1.136,φe=0.450,φx=6.29,'93年2月φμ=1.157,φe=0.385,φx=6.24G/cm^2・min)。φμ,φxには大きな変化は認められないがφeが大きく変化することがわかった。しかし宇宙線線量には殆んど影響しないことがわかった。(3)φμ/φeの比は秋期に2.52,冬期に3.00と16%変化したが、この比の変化が宇宙線線量へは0.14%しか影響しなかった。(4)宇宙線線束の季節変動、特にφxの変動モデル、および低気圧通過時にφxが増加する現象の説明モデルを作成し、いずれもμ^±粒子の崩壊または、ノツクオンによって発生する電子の制動放射線によることがわかった。(5)光子による波高分布は、3″φNaI検出器によりほづ17MeV以下に分布することがわかった。(3″φNaI検出器の光子に対する応答行列を作成し、入射光子スペクトルを求めれば、光子スペクトルより宇宙線光子による被曝線量が求められることがわかった。これは将来の問題として残された。)簡単な試算によりφx=6G/cm^2・minの光子による線量は0.017μR/hr(旧単位)程度で宇宙線による被曝線量の0.5%程度にしかならないことがわかった。このことより宇宙線による被曝線量をモニタリングするには光子に対して感度の低い3″φプラスチックシンチレーションカウンターでほぼ3MeV以上のμmとφeによる線束密度を測定すればよいことがわかった。逆にNaI検出器は光子に対して感度が高いので不適である。長期にわたるモニタリングを行なうには弁別レベルの安定性が重要である。(6)光子成分の変動は気象要因と関係していることがわかった。