著者
長谷 晃輔 長谷 生子 下山 由美子 西藤 公司
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.75-78, 2020 (Released:2020-06-20)
参考文献数
6

雑種猫,3歳3ヶ月齢,未去勢雄に多発性丘疹結節および腫瘤,ならびに皮膚硬化が認められた。皮膚生検の検体および斃死後の剖検検体を病理組織学検査に供したところ,皮膚腫瘤/結節および硬化部位の皮膚のみならず,骨格筋膜や臓器漿膜にも広範囲に紡錘形細胞の増殖が認められ,皮膚結節の一部では線維肉腫に矛盾のない組織像が認められた。抗猫白血病ウイルス抗体を用いた免疫染色では,前述した紡錘形細胞の細胞質が陽性となったことから,前述の組織学的変化が猫白血病ウイルスまたは猫肉腫ウイルスに関連した可能性が示唆された。
著者
三浦 京夏 原口 友也 小田 康喬 西川 晋平 谷 健二 下川 孝子 下山 由美子 板本 和仁
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1+2, pp.14-19, 2018 (Released:2018-12-08)
参考文献数
12

被嚢性腹膜硬化症(Encapsulating peritoneal sclerosis:EPS)とは、腹腔内臓器周囲の線維性硬化と癒着を特徴とする稀な疾患である。今回、我々はEPSを疑うイヌ3症例において画像診断を実施したところ、ヒトと同様に臓器を被覆する肥厚した被膜や、消化管の集束などの特徴的な所見が得られた。また、各症例に外科的/内科的な治療を実施した結果、その予後はヒトと同様、外科的整復の成績に左右される可能性が示唆された。