著者
鈴木 紀明 三宅 正武 西尾 昌治 下村 勝孝 石毛 和弘
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究では互いに関連する3つの課題を取り扱った.(1)熱方程式の平均値の性質,(2)放物型ベルグマン空間の構造,(3)熱方程式の多項式解,である.(1)熱方程式の平均値の性質については,有界な密度関数の存在,ディリクレ正則性との関連などについて考察した.それらの結果はN.A.Watsonとの共著でColloq.Math.98(2003),87-98に発表した.(2)上半空間上の放物型作用素に関するベルグマン空間を定義し,Huygens property,基本解の評価,双対空間の特徴付け,再生核の具体的表示などの基本的結果をまとめた(Osaka Mathematical Journal,42(2005),106-133).また,空間次元が2以上という技術的な条件を調和測度の回転普遍性に注目して取り除くことに成功し,帯状領域におけるベルグマン核の評価を行った.それらの結果は2004年8月に島根大学で開かれたIWPT in Matueで講演発表するとともに,2006年に発行予定のASPMに寄稿した.最終年度は放物型ベルグマン空間におけるGleason問題およびCarleson測度とToeplitz作用素の有界性などについての結果を整理した.(3)熱方程式の境界値問題では多項式の解が常に存在する領域についての考察を進めた.2次元で境界が多項式によって定められている場合に,その多項式の次数が3以下の場合を解決し,次数が4以上の場合に,エルミート多項式の零点の分布との関係を調べた.この結果は2005年8月の第2回International Conference of Applied Mathematics (Plovdiv, Bulgaria)で講演発表し,講義録として出版もした.
著者
西尾 昌治 小松 孝 佐官 謙一 正岡 弘照 鈴木 紀明 下村 勝孝 竹内 敦司 山田 雅博 佐官 謙一 正岡 弘照 鈴木 紀明 下村 勝孝 竹内 敦司
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

熱方程式などの放物型方程式に対し,その解空間の構造および,底空間の幾何学的状況などとの関係を解の積分表示などポテンシャル論的手法を用いた詳細な解析を行った.方程式としては,ラプラシアンの分数ベキを含んだ微分積分方程式などを取り扱い,放物型ベルグマン空間の研究では,時間変数に関する分数ベキ微分を用いる新しい手法によって,トエプリッツ作用素や調和双対に関する結果が得られた.
著者
鈴木 紀明 西尾 昌治 下村 勝孝 山田 雅博 西尾 昌治 下村 勝孝 山田 雅博
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

Laplace作用素と熱作用素を統一的に取り扱う目的で,上半空間に放物型作用素を導入し,その作用素が作るBergman空間を定義した.この空間に作用する様々な線形作用素を解析し,特に,Carleson埋め込みとToeplitz作用素の有界性とコンパクト性を示した.