著者
杉本 大三 井上 貴子 杉本 良男 杉本 星子 柳澤 悠
出版者
名城大学
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2013-05-21)

本研究では、近年のインドの経済発展や都市・農村関係の変容を含むインド社会の変動が、都市消費をどのように変化させているのかについて、以下の4つの成果を上げた。第1に食料消費について、全国標本調査の分析から、農村部及び都市部の肉体労働者を含む貧困層の食事が、配給制度によって供給される安価な穀物や、輸入自由化によって低価格化した食用油に大きく依存するようになっていることなどを明らかにした。第2に衣料について、タミル語雑誌広告の分析から、素材やデザインなど点でサリー消費の多様化が進展していること、特定の産地のサリーがブランドとして確立される一方で、複数の産地の特徴をもつブレンドサリーが登場していることなどを明らかにし、これによってサリーをめぐるブランド消費と疑似ブランド消費の具体的な姿を提示した。また、タミルナードゥ州各地で小規模な調査を行い、消費の変化や、政府の政策がサリー産地の盛衰に大きな影響を及ぼしていることを明らかにした。第3に、タミル語雑誌2誌に掲載されている広告の、20世紀前半から2010年代にいたる長期の統計分析に取り組み、人気商品が日用雑貨から家電や病院・学校へと変化したこと、女性が消費者として重視されるようになってきたことなどを実証した。このことにより、中間層の消費生活とその背後にある価値観の変化が、雑誌広告の分析によって改めて裏付けられた。最後に宗教に関しては、タミルナードゥ州農村での現地調査で得られた資料の分析の結果、特に21世紀に入って、農村社会においてヒンドゥー寺院などの宗教施設の復興ブームが起こっていること、そこでは個人の篤志が重要な原動力であり、都市移住者などの外部者の強い関与が認められること、その結果こうした宗教施設がグローバル化や経済発展の進行にともなって、いわゆるパブリック・スペースとしての 機能を失いつつあることなどを実証した。
著者
新家 光雄 仲井 正昭 劉 恢弘 稗田 純子 趙 研
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2013-05-15)

新規に開発した低弾性率β型Ti-29Nb-13Ta-4.6Zr合金(TNTZ)および低弾性率ヤング率自己調整機能型β型Ti-Cr系合金の脊柱矯正器具用ロッドへの適用を視野に入れた研究開発を展開した。TNTZでは、強歪加工法の1つである高圧捩り加工(HPT)や微粒子衝突法により、低弾性率維持を維持したままでの高強度化を達成し、さらには酸素添加による耐摩耗性の改善にも成功した。Ti-Cr系合金では、Ti-12Cr合金を中心として、Crおよび酸素量の適正化を行い、変形双晶誘起塑性(TWIP)による高強度・高延性化を達成できることを見出し、かつその場合同時に誘起されるω相につき詳細な解析を行った。さらには、細胞毒性試験によりTi-Cr系合金の生体親和性の優位性を実証した。
著者
水野 智博
出版者
名城大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012 (Released:2013-04-25)

1.腹膜透析液暴露による膜補体制御因子の発現変化・申請者は、腹膜における膜補体制御因子の破綻によって、組織障害が惹起され、高浸透圧下、低pH下では、さらに増悪することも明らかにしてきた。この結果から、腹膜透析液の暴露が補体制御能を低下させていると考え、本研究を着想した。本年度の成果として、中皮細胞表面に発現する膜補体制御因子を、フローサイトメトリー法を用いて解析することに成功し、高浸透圧かつ低pHの腹膜透析液暴露により、細胞表面の補体制御因子発現が低下していることを見出した。以上の結果から、腹膜透析液暴露により補体制御能が低下していることが示され、臨床応用に向けた重要な成果となった。2.補体制御機構の破綻を介した腹膜障害に対する抗C5a療法の有用性・申請者は、膜補体制御因子の機能を抑制することで急性腹膜障害が惹起されることを報告している。本研究では、上記した急性腹膜障害に対して抗C5a療法が有用であるか検討を行った。C5aを不活化する低分子ペプチド(以下AcPepAとする)を0.33,0.67,1.33mg/bodyで経静脈内投与したところ、1.33mg/bodyの用量で組織障害が有意に抑制された。1.33mg/bodyの投与量を用いて、AcPepA投与から6,12,24時間後の組織変化を確認したところ、各時点での組織障害軽減作用が認められた。さらに、C5a受容体アンタゴニストとAcPepAを用いて、その作用を比較したところ、同等の組織障害軽減作用が認められた。以上の結果から、腹膜組織障害に対する抗C5a療法の有用性が示唆され、臨床応用に向けた重要な成果が得られた。これらの結果を取りまとめ、学術誌へ論文投稿中であり、日本透析医学会、補体シンポジウム、国際補体ワークショップにて学会発表も行った。
著者
高橋 友一
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2013-05-31)

避難行動において重要な要素である避難誘導に着目し、身体的な相違の他に、過去の災害時の報告書にある行動に至る個人の状態をモデルで表現し、避難情報の提供方法や個人の心理状態と行動パターンもパラメータとするマルチエージェントベースの避難シミュレーションを構築した。一斉避難放送や警備員から避難誘導、避難誘導情報の適切さ・伝達効率、エージェントの行動パターンなどの条件を変化させたシミュレーション結果を解析し、避難誘導内容・方法により避難行動に変化がある事を示し、それをもとに避難シミュレーションが防災計画の評価に有効な事を示した。
著者
内藤 克彦 水野 幸男 林 和彦 山ノ井 基臣
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999 (Released:1999-04-01)

日本およびメキシコにおける避雷器適用による電力供給の高信頼化を図るために、両国の研究者が共同し、送電線用避雷器設置効果のシミュレーション、変電所用避雷器の人工汚損実験などを実施した。具体的成果を以下にまとめる。1.メキシコ首都電力電灯公社および国家電力庁を訪問し、雷事故および避雷器に関して討論・調査を行った。雷事故記録に関する資料を入手するとともに、400-kV変電所などにおいて避雷器の設置状況の実地調査を実施した。2.4回線併架送電線を対象とし、避雷器の設置個数・場所と避雷効果との関連をEMTP(過渡現象解析プログラム)を用いたシミュレーションにより評価した。避雷器の設置個数が多いほど効果的ではあるが経済性も含めた検討が必要であること、同じ設置個数の場合には効果的な設置場所があること、がわかった。また、接地抵抗や雷道インピーダンスに関する評価も実施した。3.変電所用避雷器の人工汚損試験を実験室で行い、避雷器がい管の抵抗を8つの部分に分けて抵抗の時間変化を測定した。避雷器表面は全体が時間とともに一様に乾燥して行くのではなく、ある部分のみが乾燥し、他の部分は湿潤したままであることがわかった。4.前項の試験結果を基に避雷器表面抵抗の時間変化を数式で表わし、避雷器の物理・数学モデルを構築して避雷器表面および内部素子の電位・温度分布の時間変化をシミュレーションにより求めた。表面が乾燥する部分の分担電圧がかなり大きくなるが、素子損傷に至るほどの素子温度は上昇しないことがわかった。また、がい管と内部素子との間の放電発生を想定しても、素子損傷には至らないことがわかった。5.実験室で避雷器碍管表面の電位分布を実測する方法を調査・検討し、ポッケルス効果を利用した光電界センサが適しているとの結論に達した。発・受光回路の設計・製作をして動作を確認した。
著者
安藤 喜代美 宮嶋 秀光 伊藤 俊一
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010 (Released:2010-08-23)

本研究は、現代家族が直面しつつある墳墓の継承問題と、そうした継承を支えてきた寺院・檀家を中心にしたコミュニティの変質と家族のメンタリティを探求するものである。質的調査であるインタビュー調査と量的調査であるアンケート調査を用いた結果、寺院・檀家との関係は、その結びつきが墓制の変化とともに家族から個人へと変化する傾向があり、墓制の変容は日本型近代家族そのものの変化と関係性があり、この変化が墳墓の継承問題に顕在化していると推測される。
著者
鍋島 俊隆 野田 幸裕
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

発達過程における環境的ストレスは精神疾患の発症リスクを高めるが、どのように脳機能や精神疾患の発症に影響を及ぼすかは不明である。本研究では、発達過程の幼若期マウスに環境的ストレスを負荷した時の神経および精神機能に及ぼす影響について検討し、その発現機序を解明することを目的としている。平成26年度には、発達過程である幼若期に環境的ストレスとして社会的敗北ストレスを負荷したモデル動物を作製し、抗うつ薬では緩解されない社会性行動の低下が惹起されることを見出した。その低下の発現には、視床下部-下垂体-副腎皮質系(HPA系)が重要な役割を果たしていること、脳内モノアミン作動性神経系の機能変化が関与していることを明らかにした。平成27年度では、臨床において治療抵抗性の気分障害患者に対して治療効果を示すドパミン作動性神経系や、グルタミン酸作動性神経系に作用する化合物の、幼若期社会的敗北ストレス負荷マウスに認められる社会性行動の低下に対する反応性や、グルタミン酸作動性神経系を中心とした新たな発現機序について検討した。その結果、ドパミン作動性神経系でなく、グルタミン酸作動性神経系に作用する化合物は社会性行動の低下を緩解することを見出した。また、幼若期社会的敗北ストレス負荷マウスに認められる社会性行動の低下の発現には、NMDA受容体サブユニットのNR2Aの活性化を介したextracellular signal-regulated kinase(ERK)シグナル伝達系が関与していることを明らかにした。平成28年度では、幼若期社会的敗北ストレス負荷後の神経組織学的変化やエピジェネティックな発現変化を検討し、これまでに見出されたHPA系、モノアミン作動性神経系、あるいはグルタミン酸作動性神経系に認められた神経化学的な変化との関連性について解析する予定である。
著者
浦田 広朗
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-08-05)

本研究課題では、高等教育政策研究の一環として、我が国の私立大学が果たしている公共的機能を実証的に明らかにした。私立大学に投入される資源を示す財務データ(特に収入データ)とアウトプットを示す教育・研究の成果データを広く収集した上で、私立大学が十分には「公」に支えられていない中、公共的機能を果たしていることを、都道府県の経済水準・政府と家計の教育支出・大学教育供給量・大学進学率のパス解析や、公共性の包括的指標としての公的収益率の計測、私立大学の教育や施設設備に投入される公的資金の分析などにより明らかにした。
著者
福島 茂
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002 (Released:2002-04-01)

1980年代後半以降、クアラルンプル大都市圏とバンコク大都市圏の二つのアセアン大都市圏はグローバル経済と国内経済を結ぶ結節点となり、その産業経済構造と社会構造を大きく変容させていく。大都市圏郊外部では製造業集積、工場労働者や新中間層の拡大と核家族化、モータリーゼーション、郊外住宅開発や商業開発は一体的なダミナミズムのなかで生み出され、郊外都市社会とそのライフスタイルを形成してきた。急速な居住形態の変化は住宅需給構造の変化に起因している。就業構造のフォーマル化が居住形態のフォーマル化を促していった。就業構造のフォーマル化と教育水準の向上は若年層から起こり、しかも、都市圏人口の拡大はこうした若い世代を中核としている。これが住宅需要構造を一変させた最大の理由である。居住形態の急速な変化は量的に圧倒する若い世代の住宅需要とそれに対する住宅供給によるものである。一方、住宅需要の質的な側面に目をむけると、両都市圏とも学歴による職業・職階の階層化がなされており、これが世帯所得と住宅格差につながっている。クアラルンプル大都市圏では中学歴化が進んだ段階でグローバル経済化に接合したのに対して、バンコクでは初等教育水準の労働力が圧倒的に多かった。バンコクの低学歴層の賃金上昇は抑制され、低学歴層の住宅取得をより難しくした。所得格差を住宅格差に直裁的に結びつくことを抑制する、あるいは低所得者層の居住水準を向上させるメカニズムには、(1)公共住宅政策(補助政策)・住宅市場介入策(リンケージ政策)、(2)賃貸住宅市場、(3)住宅市場動向における購入のタイミング、(4)住宅ローンによる過去からの補助金、(5)コミュニティ改善という5つのシステムが確認される。クアラルンプルとバンコクではそれぞれメカニズム(1)(3)(4)、メカニズム(2)(4)(5)が働き、住宅水準の底上げに寄与している。
著者
丹羽 正武
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997 (Released:1997-04-01)

3年間の研究を通じて,1)化学成分研究,2)生合成類似化学反応,3)生物活性探索の3本柱を立て,創薬種を求め,遂行した結果の概要を以下に記す。1)巨峰の栽培農家からゴミとして排出したコルクおよび枝の化学成分研究の結果,1:多量のルパン骨格を基本とするトリテルペン類を単離・同定,2:多種類・多量の既知スチルベンオリゴマーを単離・同定,3:現在構造決定を進行中のものを含めて,多種類の新規スチルベンオリゴマーを単離し,それらの絶対構造を含めて化学構造を決定した。進行中のものについては,スペクトルの解析だけでは不可能と思われるため,化学反応による誘導体を調製し,結晶化させた後,X線結晶解析を行うことを検討している。2)生物活性試験に供する微量成分の供給を考慮して,比較的多量に巨峰コルクから得られたスチルベンダイマーの(+)-ε-viniferinを用いて,スチルベンオリゴマーへの生合成類似化学反応を検討した。(+)-ε-Viniferinを種々の酸で処理すると,酸の強さによって,選択的に(+)-ampelopsin B,に(-)-ampelopsin D,および(+)-ampelopsin Fに変換することに成功した。また,酵素を用いる酸化反応で,スチルベンテトラマーの(-)-vitisin B,(+)-vitisin C,(+)-hopeaphenol等に変換することに成功した。3)単離したスチルベン化合物の生物活性を探索するために,各地の大学・企業に依頼したところ,興味深い生物活性が見つかった。スチルベンダイマーの肝細胞保護作用やスチルベンテトラマーの肝毒性作用は以前から明らかであったが,今回,(-)-vitisin Bおよび(+)-vitisin C等のスチルベンテトラマーは強力な貝付着阻害作用および大動脈平滑筋弛緩作用を有することが明らかとなった。前者は船舶の航行に関わるエネルギー問題および海水汚染・環境ホルモン問題解決に重要なヒントを与えるものと理解している。また,後者はNO合成酵素を活性化する結果と考えられ,循環器病の治療薬および予防薬の創成に重要なヒント(創薬種)を提供するものと理解している。
著者
海道 清信 間野 博
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

本研究は、人口減少、高齢化に直面している我が国の都市地域における持続可能な都市形態について、都市形態論、都市空間論の視点から明らかにすることを目的としている。(1)我が国および西欧の都市形態論にかかわる理論、研究、論争をコンパクトシティ論も軸に整理・検討した。日本とヨーロッパにおいて、文献、現地調査によって都市再生と都市形態・都市圏計画との関連性を、都市圏計画と政策、複合機能・環境共生型の再生事業、居住地再生などを対象に調査した。(2)国土レベルにおける、知識基盤サービス産業の立地特性と地域空間構造との関連性を、統計解析により明らかにし、いくつかの類似したグループを抽出できた。(3)統計データを用いて、名古屋都市圏の都市空間構造を解析し、中心性、成長性、成熟性などの特徴によって、都市類型化を行った。また、名古屋市の都市空間構造の特性を、人口・家族・住宅などの国勢調査データとパーソントリップ調査データを用いて、小学校区レベルで多変量解析によって類型化を行った。(4)人口減少、高齢化が進む名古屋都市圏の郊外団地の実態を、空き地空き家に着目して調査した。可児市、多治見市の住宅団地(入居開始後20年以上経過した約40地区)を対象に、空き地空き家の所在、利用状況、団地の開発時期、規模、立地条件、住環境水準、人口動向、地価動向を把握・解析した。主要な住宅団地の将来人口予測を行った。さらに、典型的な住宅団地の住民アンケート調査を実施した。広島都市圏においても、典型的な住宅団地の実態調査を行った。(5)以上のような調査研究を元に、人ロ減少と急速な高齢化を迎える我が国における持続可能な都市形態のあり方を総合的に考察・検討した。研究成果は、2007年12月に単著『コンパクトシティの計画とデザイン』として学芸出版社から出版した。
著者
柄谷 友香
出版者
名城大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究では,過去の災害対応から得た経験や情報を"災害対応ナレッジデータベース(KDDM)"として一元的に集約し,将来的に,国や県,市区町村,企業, NPOなどがWeb等を介して共有・活用できるシステムのデータベース(基盤)を構築した.また, KDDMを用いた実践例として,行政と被災者をつなぐコミュニケーション・ルールのあり方への提言や,過去の災害教訓に基づき,平常時に行われる防災研修のための教材を作成し,自治体や市民,企業, NPOに対して実践した.
著者
坂野 秀樹
出版者
名城大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

1.補間方法の評価・検証音声補間の応用の一つである音声モーフィングは、通常、異なる話者間の補間を行うが、話者間の音声特徴量の違いが大きいため、劣化も大きい上、劣化の原因も特定しづらい。そこで、本研究では、異なる話者間に比べて難易度の低い、同一話者・同一発声におけるモーフィングについて検討し、問題点を明らかにしてきた。特に、同じ発声内容でもスペクトルや基本周波数の変化に富む感情音声並びに、テンポや音程が保たれているため話声よりも扱いの容易な歌唱音声の補間・モーフィングについて検討している。今年度は、より広範なデータを用いての補間方法の検討・評価を行った。特徴点の設定方法を検討する中で、我々は声道断面積関数を利用したスペクトルの補間方法に関する手法を開発した。更なる高品質化のためには、より詳細な検討が必要であるが、極めて柔軟な補間が可能な手法となり得ることが確認されている。2.音声補間を利用したシステムの構築デモシステムの構築及び評価を行った。感情モーフィングを利用した中間的な感情を生成するシステム、入力歌唱音声のテンポを変更して合成するシステム、入力した音声のスペクトル及び基本周波数を実時間で変換して高品質な合成を行う実時間声質変換システムなどを構築した。特に、実時間声質変換システムについては、主観評価実験等による評価を行った結果を論文として投稿し、採録が決定している。このシステムに用いられている分析合成部分では、高品質音声分析合成方式であるSTRAIGHTをベースとしたものを用いているが、高速化や様々な工夫の導入により、実時間処理が難しいと言われていたSTRAIGHTの実時間処理を可能としている。この分析合成部分の評価を行った所、元のSTRAIGHTに比べれば劣化するものの、既存の分析合成であるケプストラムボコーダに比べて主観評価値のMOSにおいて1程度の品質向上が見られている。
著者
森杉 雅史 大野 栄治 宮田 譲 根本 二郎 大西 暁生 金 広文
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

本研究課題は、近年のメコン川流域諸国の急激な経済発展に起因する水資源に関わる諸問題を、経済と環境の二つの視点に即し、統計整備と幾つかの解析を試みるものである。具体的には得られた地域内間表のサーベイと、諸国の経済状況、並びに、誘発環境負荷分析の下で諸地域の相互依存状況を見ていく。また現地調査により水質悪化に伴う疾病対策の評価も行っている。また一方で目下流域諸国の中では情報整備が抜きんでている中国を対象とし、河川流域の水資源に関する需給モデルを展開する。また、費用関数やフロンティア分析の応用などによって、水資源の農産物に対する生産性、課徴金制度の効果なども吟味している。
著者
渡邊 晃
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

移動透過性とアドレス空間透過性の機能を統合し実装を完了した. FreeBSDで開発済みのGSCIPの基本部分をWindowsへ移植し, 安定動作することを確認した. 管理装置の実装を行い基本部分の動作を検証した. CVS(Concurrent Versions System)を用いて管理を実施中であり, ソースコード公開に向けての準備をほぼ完了した. 国内学会の口頭発表13件, 国際会議口頭発表2件, 論文誌掲載2件を達成した.
著者
松井 徹哉 武藤 厚 大塚 貴弘 永谷 隆志
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

浮屋根と液体の非線形性を考慮した大型液体貯槽の地震時スロッシング解析理論を体系化し、縮小模型による振動台実験を実施してその妥当性を検証した。さらにその成果に基づいて、2003年十勝沖地震で発生したシングルデッキ型石油貯槽浮屋根の損傷・沈没の原因究明を試み、浮屋根や液体の非線形性に起因する非線形振動モードの存在がポンツーンに過大な応力を発生させ、浮屋根を座屈・沈没に至らせる可能性のあることを指摘した。
著者
牧野内 猛
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

濃尾平野臨海部と大江と鍋田で掘削されたボーリングの泥質コアの火山灰分析が行われ,鬼界アカホヤテフラ(K-Ah,約7000年前)など,数層の広域テフラ(広域に分布する火山灰層)が検出された.これに基づき平野表層の地下地質を検討した結果,従来と異なる新しい見解に達した.すなわち,濃尾傾動運動(西方に傾動)による沈降は,平野西部より東部が遅れ,かつ東部では小規模と認識されていた.しかし,平野東部の海成粘土層は,より早期から,かつ厚く堆積している.この事実は,濃尾傾動運動は絶え間なく進行したのではなく間欠的であった可能性を示唆している.
著者
山田 啓一
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

周辺車両ドライバの状態に応じた運転支援システムのコンセプトを提案し,そのようなシステムが周辺車両ドライバの状態に適応的ではない従来型のシステムと比べ,より効果的に運転支援が行えることを明らかにした。そして,そのようなシステムを実現するための要素技術として,後続車両の車両挙動からその車両を運転するドライバの反応時間や不注意運転傾向の度合いを推定する手法などを提案した。
著者
高橋 望
出版者
名城大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010 (Released:2010-12-03)

本研究の目的は、ニュージーランドで展開される業務・業績管理システム(Performance Management Systems : PMS)、及び学校管理職の養成・研修制度に着目し、両者がいかに学校組織マネジメントに貢献しているのか明らかにすることであった。本研究の最終年度である本年度は、PMSに着目した1年目、学校管理職に着目した2年目を踏まえ、これまでの2年間の成果の整理・検討を包括的に行うこと、また不足点を補うことを第一の課題として設定した。そして、両者の関連性を検討し、本研究の主題である学校組織マネジメントの実態に迫ることを第二の課題とした。具体的には、現地訪問調査において、再度学校訪問を行い、学校が独自に作成しているPMS関連文書の収集や校長・教職員へのインタビュー調査を実施し、実態の更なる追究を行った。ニュージーランドは自律的な学校経営を推進しているため、PMSの取り組みは学校ごとに特色を有しているからである。一方、学校管理職に関しては、教育省の担当者、及び学校管理職研修を中心的に担っているオークランド大学担当者にインタビュー調査を実施した。加えて、不足資料を補うために、オークランド大学やヴィクトリア大学の図書館、及び国立図書館での資料収集を行った。その結果、学校管理職は養成・研修制度において組織マネジメントの素養を身につけ、PMSを活用することによって「人」の管理を行っている実態が見出された。学校組織マネジメントの全体像については、更なる研究の必要性が指摘される。