著者
渡辺 和美エリゼッテ 鈴木 一臣 山下 敦 繁田 真人 今井 誠 矢谷 博文 中井 宏之
出版者
一般社団法人 日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.187-191, 1996
参考文献数
16
被引用文献数
5

歯質被着面に一定期間作用した仮着材は, 接着における阻害因子になることが懸念されている.そこで, 仮着材を作用させた象牙質に対する接着性レジンセメントの接着強さを測定し, 残留仮着材が接着に及ぼす影響について検討した.すなわち, ウシの歯象牙質に種々の仮着材を24時間作用させた後, エキスカベーターを用いて仮着材を肉眼的に付着していない状態まで除去し, この被着面と接着材(パナビア21, クラレ)との接着強さの測定および接着界面の形態をSEM観察した.その結果, コントロールの接着強さは6.9MPaであったが, ハイボンドテンポラリーセメント作用面に3.6MPa, フリージノールテンポラリーパック作用面に4.9MPaおよびテンパック作用面に5.3MPaの値を示し, いずれの仮着材においても低い値を示した.一方, 接着界面のSEM像から, コントロール試料においては約0.5μmの樹脂含浸層が確認されたが, 仮着材を作用させた後の接着界面には樹脂含浸層が生成されていなかった.
著者
鈴木 一臣 中井 宏之
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.34-44, 1993-01-25
被引用文献数
19

歯質と修復用レジンの接着性の改良を目的に, 象牙質の表面処理効果と作用機序について検討した.コラーゲンおよび酸処理象牙質を2-Hydroxyethyl methacrylate(HEMA)水溶液によって表面処理を行い, FT-IR分析, SEM観察および接着試験の結果から次のような結果を得た.即ち, コラーゲン線維へHEMAが吸着するためには水が必要である.コラーゲンの処理に用いた処理液のHEMA濃度とHEMA吸着量の関係においてHEMAが6〜60%の範囲でコラーゲンにHEMAがもっとも多く吸着した.HEMAの吸着したコラーゲンは, 形態変化(SEM写真)から推定して硬直化していた.接着強さは, リン酸-30%HEMA水溶液処理12.07MPa, クエン酸-30%HEMA処理10.09MPaおよびEDTA-30%HEMA処理7.04MPaであった.