著者
中居 功
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

2文字X、Yとそれらの逆元となる文字からなる語全体は語の結合を積とすることで代数学における群の構造を持つ。この群の元はXY平面の整数格子点で折れまがる折れ線を定める。平面曲線はこのような折れ線の、一般化した対象、つまり一般化されたX、Yの語と捉えられる。この観点から平面曲線全体の群としての構造を研究し、曲線のX、Yの語としての展開、また曲線の形式的対数を、自由リー環の元として考察し、部分的結果をえた。
著者
山口 佳三 石川 剛郎 清原 一吉 泉屋 周一 佐々木 武 佐藤 肇 大仁田 義裕 中居 功
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

研究の目的は,微分方程式系をJet空間の部分多様体として,幾何学的対象ととらえて,接触同値問題を核に,微分幾何学および特異点論の手法で研究することにある。今年度は最終年であるので,当初に掲げたつぎの6つのテーマをそれぞれまとめる研究を行った。(1)二階一未知関数偏微分方程式系の接触同値問題,特にE.CartanによるG_2-modelを多変数に一般化したG_2-型偏微分方程式系の研究。(2)Monge-Ampere方程式の解の特異点と衝撃波の構成。(3)微分方程式系のsymbolより生じる階別Lie環の研究および高階有限型微分方程式系(完全積分可能系)の同値問題とその応用。(4)線形高階有限系微分方程式系の同値問題の射影部分多様体論とGauss-Schwarz理論への応用。(5)微分式系の種数の概念のWebb幾何による意味付け。(6)測地流が完全積分可能系となるRiemann多様体の構造解明。(1)の課題については、成果発表として,Duke大学Bryant教授,Columbia大学倉西教授,Minesota大学Olver教授を訪れ活発な討議と共同研究を行った。(2)の課題は、泉屋が,まとめを雑誌「数学」に発表した。(3),(4)の課題は、高階常微分方程式系の同値問題を含み、背足による線形可積分系の線形同値問題を接触同値問題に発展させる研究である。基本的な成果を今年,研究代表者が八ツ井とともに公表した。(4)については,背足の線形方程式系に対する剛性定理の射影幾何学的解釈を研究代表者が,Jun-Muk Hwang教授(KIAS)とともに,まとめた。(6)の課題は、Liouville曲面の一般化の研究であり、完全積分可能系の大局的理論である。清原が,今年はそのKahler版をまとめた。