著者
中山 心太
雑誌
第56回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.143-150, 2015-01-09

近年、スマートフォン上で遊ぶことができるフリーミアム型のゲームが増えてきている。フリーミアム型のゲームの収益は広告収入や、コンテンツ課金に依存している。コンテンツ課金は、多くの人が遊ぶことにより生まれる競争心や、多くの人が遊んでいる信頼あるゲームという感覚に強く依存している。そのため、より多くのユーザが遊んでいるゲームが、より多くの収益を得る、というビジネス構造になっている。より多くのユーザに遊び続けてもらうには、常に面白い体験を提供し続けなくてはならない。そのため、ユーザに退屈を感じさせないようにリリース後のゲームバランスの調整が常に行われており、その手腕は差別化の一因となっている。そこで本稿では、心理学と統計的アプローチを利用した、リリース後のオンラインゲームにおけるゲームバランスの調整手法の提案を行う。
著者
中山 心太
雑誌
夏のプログラミング・シンポジウム2011報告集
巻号頁・発行日
pp.7-10, 2012-01-06

ITの現場で運用されているプログラムは、正常系が2割、異常系8割程度の比率で記述されている。C言語などの既存言語ではプログラムフローの制御と、エラートラップが同一の記法(if文)で記述されており、静的解析においては区別がつかない。そのため、新たにプロジェクトに配属された人にとっては、運用されているコードを読んでも、正常系も異常系も同様に見えてしまい、プログラムの動作を把握するのが難しい。そこで、テストコードは正常系と異常系が仕様書から定義できるため、テストコードを用いてプログラムの動的解析を行うことによって正常系のみを効率的に抽出し、正常系のみを表示するエディタを提案する。これにより、短期間にプログラムの動作を把握することができ、プロジェクトの開発効率の向上が期待できる。
著者
小田 哲 中山 心太 上西 康太 木下 真吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.409, pp.35-40, 2012-01-19
被引用文献数
1

Hadoopの登場により、安価なハードウェアを用いて大規模なデータに対する高度な分析手段が普及しつつあり、その分析の精度および速度がビジネスの成否を分けるようになってきた。すなわち、大規模かつ高度な分析をリアルタイム化することが重要となる。そこで我々は大規模かつ高度なリアルタイム分析のための分散機械学習フレームワークJubatusをPFI社と共同開発した。Jubatusのゴールは、(a)オンライン機械学習アルゴリズムなどの分析処理をスケールアウトするように分散処理できること、(b)これらの分散処理をアルゴリズム間で共通化すること、(c)これらの分析処理を容易に試行錯誤しながら利用できるようにすること、の3点である。我々は(a)に関してJubatusに高度な分析をスケールアウトさせるための仕組みとして一貫性要件を緩和したmixというデータの同期機構を組み込み、そのスケールアウト性を確認した。本稿ではmixの特徴について解説し、一貫性要件の緩和の程度について検証する。