著者
中山 正樹
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.715-724, 2012 (Released:2012-02-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

本稿では,国立国会図書館(NDL)のデジタルアーカイブ構築の現状と,「知識の共有化」が目指す「新たな知識の創造と還流」に向けた活動の方向性について述べる。NDLは,納本図書館として,冊子体資料だけでなく,政府系インターネット情報等のデジタルコンテンツを含めて収集保存する責務を持っており,それらをいつでもどこでも利用できるようにすることが望ましい。NDLは,あらゆる資料や情報を可能な限り収集・保存し,NDLデジタルアーカイブを構築する。しかしながらすべてを収集することは不可能であるので,他の機関と併せて網羅的な知識の蓄積を図り,分散デジタルアーカイブを構築する。それらNDLが収集できていないものも含めて,分散したデジタルアーカイブの情報を一元的にナビゲートし,かつ,意味的に関連付けて知識として利用できるようデータプロバイダーの役割を果たすNDL Searchを構築する。このような既存の情報を知識として再利用して新たな知識の創造を可能にする知識インフラを構築する。
著者
久古 聡美 吉田 曉 中山 正樹
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.313-323, 2006 (Released:2006-09-01)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

国立国会図書館が目指している「国立国会図書館デジタルアーカイブポータル」は,広く国のデジタルコンテンツ全体へのナビゲーションを行うことを目指すものである。平成19年度以降の稼働に先立ち,プロトタイプを構築し「統合検索」のために必要な機能の検証を行ってきた。本稿ではプロトタイプの概要を示し,さらに今後の方向性について述べる。デジタルアーカイブを保有する各機関にWebサービスによるサービス提供機能の実装を呼びかけるとともに,Web2.0時代にふさわしいポータルの構築を目指し,機械的な連携とデジタル情報の一層の利活用を図る。
著者
中山 正樹
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.453-460, 2004-09-01 (Released:2017-05-25)
参考文献数
4

国立国会図書館(NDL)が2004年2月に策定した「電子図書館中期計画2004」を紹介し,今後,国のデジタル・アーカイブ・ポータルを有用なものとして活用されるために何をすべきか,個々のデジタル・アーカイブを提供する組織,構築のための技術を提供する組織に何を期待するか等について考察してみたい。なお,意見にわたる部分は,筆者の個人的な見解であることをおことわりする。