著者
山中 寿 田中 榮一 中島 亜矢子 古谷 武文 猪狩 勝則 谷口 敦夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.12, pp.2638-2644, 2017-12-10 (Released:2018-12-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1

日常診療に基づくreal world data(RWD)に基づくreal world evidence(RWE)は,良質な日常診療のために近年,その必要性がますます高まっている.Real world dataの1つである関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)患者の大規模コホートIORRA(Institute of Rheumatology,Rheumatoid Arthritis)は,2000年以来17年間に亘る患者調査を行い,診療実態の変遷,治療薬の変化,合併症の状況,薬剤経済学的検討,ゲノム情報の影響等多岐にわたる研究を行い,既に123編の英文論文を発表してきた.その結果,臨床医が日常診療で感じていることを経時的に定量的に示すことができ,多くが臨床医の実感を裏付けるものであった.多くの内科医が日常遭遇する慢性疾患の長期的アウトカムを示すことのできる観察研究データベースは,ますます重要性が増すものと考えられ,多くの疾患分野において同様の研究が行われることを期待する.
著者
中島 亜矢子
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.6-13, 2021 (Released:2021-05-20)
参考文献数
24

この20年で,生物学的製剤,分子標的抗リウマチ薬の開発,分類基準の改変,厳格な治療目標や治療ストラテジーの提唱などにより,関節リウマチの診療は非常に進歩した.この進歩は日常診療で患者の疾患活動性や身体機能の改善として実感されるのみならず,大規模専門施設からのデータでも確認されている.一方で,日常診療では,まだこれらの治療の恩恵を受けていない患者に出くわすことも少なくない.大規模専門施設からのデータ,日本全体の保険診療が格納された厚労省管轄のナショナルデータベースを用いた双方の研究結果を見ることにより,日本の関節リウマチ診療の課題が明らかになる可能性がある.