著者
木谷 隆 中島 芳夫 海老沢 昭二 古田 賢治
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.187-191, 1983-05-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
8

養鶏施設において高い消毒効果が得られる方法の開発を目的とし,その第一歩として,細菌による人工汚染物及び鶏糞による自然汚染物に消毒液を散布し,消毒効果を検討した。盲腸内容物を1/2量加えた培地でStaphylococcus aureusを培養し,その菌液を塗布乾燥した人工汚染検体,及び鶏舎に放置し主として鶏糞で汚染させた自然汚染検体に,4種類の化学的性質の異なる消毒剤(逆性石〓,ヨードホール,塩素剤,オルソ剤)を煙霧状にして散布消毒した。なお,使用した消毒液の濃度及び散布量は,各消毒剤の使用説明書の記載に従った。その結果,消毒液の散布による菌数の減少は1/10又はそれ未満の場合が多く,消毒液の種類又はその濃度による差は顕著でなかった。従来,消毒剤の効力は主として培養菌液を用いて評価され,その結果に基づいて濃度,散布量等の使用条件が定められているが,養鶏施設において効力を調べ,高い消毒効果を得るための使用条件を明らかにすることが急務であると考えられる。