著者
中嶋 彩華 久坂 哲也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-9, 2020-07-10 (Released:2020-07-10)
参考文献数
16
被引用文献数
2

本研究の目的は,小学校教員の理科指導に対する不安,教師効力感,学習動機が教員歴によってどのように推移するのかを明らかにすることである.そのため,現在,学級担任をしている小学校教員を対象に,質問紙を用いた横断的調査を実施した.得られた488名のデータを分析した結果,理科指導に対する不安は全体的に教員歴が増すと低下する傾向があること,下位尺度に着目するとどの教員歴でも理科の専門的知識に対する不安の平均値が最も高いことが示された.また,教師効力感は教員歴4〜6年で一度下降する傾向にあるが,その後,教員歴とともに上昇する傾向が示唆された.さらに,教科指導学習動機の自律的動機である内発的動機は教師効力感に対して正の影響を与えるが,同じ自律的動機である熟達志向は教師効力感に対して負の影響を与えることが示された.
著者
清野 樹恵 中嶋 彩華 久坂 哲也
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.117-120, 2017-12-02 (Released:2018-07-01)
参考文献数
8

本研究は,小学校の理科授業場面における児童のメタ認知的方略の使用に着目し,他の学習方略(認知的方略,外的リソース方略)の使用との関係性について検討することを目的とした。公立小学校1 校の第6 学年の児童を対象に質問紙調査を行い,回答は全て5 件法で求めた。分析の対象者は95名であった。分析の結果,モニタリング方略の使用には作業方略,認知的方略,人的リソース方略が,コントロール方略の使用には認知的方略,人的リソース方略が有意な正の影響を与えていること,作業方略のみがコントロール方略の使用に対し有意な影響を与えていないことが示された。