著者
大島 一真 中嶋 栞理 多田 昌平 菊地 隆司 里川 重夫
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.388-393, 2020-11-01 (Released:2020-11-01)
参考文献数
27
被引用文献数
3

CO2とH2の混合ガスから一段でのジメチルエーテル(DME)合成を目的として,Cu系触媒とゼオライトの混合触媒の触媒性能を評価した。非晶質ジルコニアを担体とした担持銅触媒(Cu/a-ZrO2)とFER型ゼオライトの混合触媒は,CO2水素化に用いられるCu/ZnO/Al2O3とFER型ゼオライトの混合触媒よりも高いDME収率を示した。非晶質ジルコニアを担体とすることで,副反応であるCO生成が抑制されるため,高いDME収率を示したと考えられる。また,FER型ゼオライトはメタノール脱水に有効な酸点を有しており,これらの混合がCO2から一段でのDME合成に有効であることが示された。反応圧力1.0 MPa,反応温度230 ℃の条件でのDME選択率は,その条件での平衡組成である40 %に近い値を示しており,Cu/ZnO/Al2O3との混合触媒よりも約2倍のDME生成量を達成した。