著者
原田 梢平 茂木 堯彦 里川 重夫 小倉 賢
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.233-243, 2022-11-01 (Released:2022-11-01)
参考文献数
50

カーボンニュートラル実現に向けて,CO2水素化による燃料油合成技術が注目されている。CO2を原料としたフィッシャー・トロプシュ合成にカリウムを添加したコバルト系触媒を用いることで,炭素鎖が成長し液体炭化水素が生成され,同時にメタン生成が抑制されることが報告されている。一方で,カリウム添加による活性変化の詳細は明らかにされていない。本研究では,赤外分光法,X線光電子分光法を用いカリウム添加コバルト触媒の表面状態を分析し,カリウムがもたらす効果を詳細に調査した。カリウム添加によりコバルト表面が還元雰囲気下でも部分的に酸化された状態を維持し,CO2吸着サイトとなる弱塩基点として作用することが明らかになった。カリウム添加コバルト系触媒では,反応ガスのH2/CO2比を1にすると,液相生成物選択率が53 %となった。また,得られた液相生成物には有用化学品原料となり得る1-アルコールや酢酸が含まれていた。
著者
大島 一真 中嶋 栞理 多田 昌平 菊地 隆司 里川 重夫
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.388-393, 2020-11-01 (Released:2020-11-01)
参考文献数
27
被引用文献数
3

CO2とH2の混合ガスから一段でのジメチルエーテル(DME)合成を目的として,Cu系触媒とゼオライトの混合触媒の触媒性能を評価した。非晶質ジルコニアを担体とした担持銅触媒(Cu/a-ZrO2)とFER型ゼオライトの混合触媒は,CO2水素化に用いられるCu/ZnO/Al2O3とFER型ゼオライトの混合触媒よりも高いDME収率を示した。非晶質ジルコニアを担体とすることで,副反応であるCO生成が抑制されるため,高いDME収率を示したと考えられる。また,FER型ゼオライトはメタノール脱水に有効な酸点を有しており,これらの混合がCO2から一段でのDME合成に有効であることが示された。反応圧力1.0 MPa,反応温度230 ℃の条件でのDME選択率は,その条件での平衡組成である40 %に近い値を示しており,Cu/ZnO/Al2O3との混合触媒よりも約2倍のDME生成量を達成した。