著者
城塚 達也 多田 昌平
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

CO2の再資源化を目的として、ジルコニア系触媒を用いたCO2水素化によるメタノール合成が注目を集めている。本研究では、ジルコニア系触媒による触媒反応における分子科学を電子状態計算により明らかにし触媒活性との相関を解明する。そして、ジルコニア系触媒を用いたCO2水素化反応を題材とし、constrained density functional theory (CDFT)法などの触媒反応の理論的解析手法の更なる開発と応用の開拓を目指す。
著者
大島 一真 中嶋 栞理 多田 昌平 菊地 隆司 里川 重夫
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.388-393, 2020-11-01 (Released:2020-11-01)
参考文献数
27
被引用文献数
3

CO2とH2の混合ガスから一段でのジメチルエーテル(DME)合成を目的として,Cu系触媒とゼオライトの混合触媒の触媒性能を評価した。非晶質ジルコニアを担体とした担持銅触媒(Cu/a-ZrO2)とFER型ゼオライトの混合触媒は,CO2水素化に用いられるCu/ZnO/Al2O3とFER型ゼオライトの混合触媒よりも高いDME収率を示した。非晶質ジルコニアを担体とすることで,副反応であるCO生成が抑制されるため,高いDME収率を示したと考えられる。また,FER型ゼオライトはメタノール脱水に有効な酸点を有しており,これらの混合がCO2から一段でのDME合成に有効であることが示された。反応圧力1.0 MPa,反応温度230 ℃の条件でのDME選択率は,その条件での平衡組成である40 %に近い値を示しており,Cu/ZnO/Al2O3との混合触媒よりも約2倍のDME生成量を達成した。