著者
小林 憲弘 小坂 浩司 浅見 真理 中川 慎也 木下 輝昭 高木 総吉 中島 孝江 古川 浩司 中村 弘揮 工藤 清惣 粕谷 智浩 土屋 かおり 寺中 郁夫 若月 紀代子 加登 優樹 小関 栄一郎 井上 智 村上 真一 金田 智 関 桂子 北本 靖子 堀池 秀樹 米久保 淳 清水 尚登 髙原 玲華 齊藤 香織 五十嵐 良明
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.223-233, 2017 (Released:2017-11-10)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1

水道水中の臭素酸イオン (BrO3-) を既存の告示法よりも高精度かつ迅速・簡便に分析するために, LC/MS/MSによる測定方法を検討し, 臭素酸イオンを高感度に検出でき, さらに水道水中に含まれる他の陰イオンを良好に分離可能な測定条件を確立した。さらに, 本研究で確立した測定条件が全国の水道水に適用できるかどうかを検証するために, 水道事業体等の23機関において水道水に臭素酸イオンを基準値 (0.01 mg L-1) およびその1/10 (0.001 mg L-1) となるように添加した試料を調製し, 各機関で最適化した様々な測定条件で試験を行った。その結果, いずれの機関においても厚生労働省が示している「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドライン」の真度, 併行精度および室内精度の目標を満たしたことから, 本分析法は水道水中の臭素酸イオンを基準値の1/10 (0.001 mg L-1) まで高精度に分析可能であると評価した。
著者
中川 慎也 片岡 隆浩 迫田 晃弘 石森 有 花元 克巳 山岡 聖典
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.241-251, 2008 (Released:2008-04-25)
参考文献数
23
被引用文献数
10 15

ラドン療法の適応症には活性酸素に由来する生活習慣病が多く,その機構の更なる解明が期待されている。また,汎用性があり医学的効果が再現できるラドン吸入装置の構築は意義が大きい。このため,著者らは共同で開発したラドン吸入試作装置を用い,マウス諸臓器中の抗酸化機能の変化特性を検討した。ラドン吸入試作装置は,特殊加工したラドン線源を収納したユニットの数量,それへの送風量及び湿度などを調節することによりラドン濃度を自在に調整可能にするものである。この装置によりマウスに400Bq/m3あるいは4000Bq/m3のラドンを吸入させた。その結果,脳・肺・肝臓・腎臓において,抗酸化系酵素であるSODとカタラーゼの両活性が増加し,過酸化脂質量が減少した。この抗酸化機能の亢進により,本実験条件でのラドン吸入は活性酸素障害の抑制,すなわち,生活習慣病の予防や症状緩和に効果のある可能性が改めて示唆できた。