著者
中川 淳子 川田 尚鋪
出版者
山陽学園大学
雑誌
山陽学園短期大学紀要 (ISSN:13410644)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.91-95, 2002

本学の一般学生(食物栄養学科2年次生)と運動部(バレーボール部)所属学生について身体状況調査、身体機能調査、生活時間調査を行い以下の結果を得た。1)身体状況調査では運動部所属学生の身長が一般学生のそれより有意に高かったが体重、BMIについては有意の差は無かった。また、一般学生の身体は全国の平均値と同じであった。2)身体機能調査では筋力では握力には有意差は認められなかったが、背筋力では運動部所属学生の方が有意に高かった。そして、身体の柔軟度を示す体前屈では運動部所属学生の方が柔軟性が高かった。また、運動部所属の学生は一般学生に比べ安静時脈拍が低値を示し、運動負荷による脈拍充進からの回復が速やかであることがわかった。全身の持久性能力のよい指標となる最大酸素摂取量については運動部所属学生の方が一般学生より格段に良好な高値を示した。3)5日間の生活時間調査によって得られた生活活動指数では運動部所属学生の方が一般学生より高く、活発に活動しており、その分睡眠時間は運動部学生の方が長くなっている。このようなメリハリのある生活内容が最大酸素摂取量の良好な数値、すなわち全身持久力の高い身体を形成するのに寄与しているものと考えられる。4)これらのことから、生活習慣病の予防だけでなく健康の保持・増進のためにも日々の生活に運動を取り入れ、それを習慣化するよう心がけることの大切さが強く示唆された。