- 著者
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多田 充徳
中村 俊康
- 出版者
- バイオメカニズム学会
- 雑誌
- バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.1, pp.11-17, 2014 (Released:2016-04-16)
- 参考文献数
- 23
手指の関節運動は複雑な筋腱ネットワークの相互作用から生み出されている.今までの解剖学的な研究により,それぞれの筋腱が個別に関与する関節運動については明らかになっている.しかし,複数の筋腱を同時に駆動した際に発生する相互作用と,それが関節運動に与える影響については未だに明らかにされていない.これを解明するには屍体標本と計測制御技術を併用した実験が有効である.本稿では,屍体標本を対象にセンサやアクチュエータを用いて手指の運動機能(モーメントアーム長,指先発揮力,そして関節運動のように手指の運動に関わる機能)を計測,モデル化した研究を概観する.また,筆者らが開発した筋腱駆動装置の構成,この装置とモーションキャプチャ装置を用いて屍体標本の示指関節運動を計測した結果,そして深指屈筋による関節運動に虫様筋の活動が与える影響を計測した結果を紹介する.