著者
中村 典子 城市 篤 寺嶋 有史 田中 良和
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.150-156, 2010-05-25
被引用文献数
1

バラにはdelphinidinという多くの青い花に含まれる色素を合成する能力がなかったため青い品種がなかった.パンジーから得たdelphinidinを合成するために必要な遺伝子をバラで発現させると,delphinidinの含有率が95〜100%になり,花色が青く変化したバラを得ることができた.その中から選抜した系統について生物多様性影響評価をおこない,カルタヘナ法に基づく生産・販売の認可を取得した.アプローズ(花言葉「夢かなう」)として販売中である.アプローズは,香りがよく,その主成分はgeraniolであり,従来のバラの中では交雑で作出された紫色のバラの香りに近い.