著者
橋本 翼 横山 武司 田中 良和
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.89-96, 2021-05-31 (Released:2021-06-05)
参考文献数
30
被引用文献数
1

Recent marked development called “Resolution revolution” has made cryo-electron microscopy (Cryo-EM) the third method of structure determination at atomic resolution next to X-ray crystallography and NMR. In this review, actual situation surrounding Cryo-EM including an outline about the workflow from sample preparation to image analysis and differences between Cryo-EM analysis and X-ray crystallography is introduced. We hope that this review is useful for researchers particularly who will start Cryo-EM analysis.
著者
中村 典子 城市 篤 寺嶋 有史 田中 良和
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.150-156, 2010-05-25
被引用文献数
1

バラにはdelphinidinという多くの青い花に含まれる色素を合成する能力がなかったため青い品種がなかった.パンジーから得たdelphinidinを合成するために必要な遺伝子をバラで発現させると,delphinidinの含有率が95〜100%になり,花色が青く変化したバラを得ることができた.その中から選抜した系統について生物多様性影響評価をおこない,カルタヘナ法に基づく生産・販売の認可を取得した.アプローズ(花言葉「夢かなう」)として販売中である.アプローズは,香りがよく,その主成分はgeraniolであり,従来のバラの中では交雑で作出された紫色のバラの香りに近い.
著者
福井 祐子 田中 良和 久住 高章 岩下 孝 益田 勝吉 野本 享資
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.55-60, 2000
被引用文献数
1

Rose breeders have failed to make blue roses. This has been attributed to the lack of blue pigment in the petals. We revealed that mauve rose such as "M'me.Violet" and "Lavande" contain a small amount of blue pigment other than a red anthocyanin, cyanidin 3,5-diglucoside. The major blue pigment of the rose named Rosacyanin A and the minor red one was named Rosacyanin B. The structures of these pigments were elucidated. A high-resolution mass spectrometry showed that Rosacyanin B had the molecular weight of 419.0409 and molecular formula of C_<22>H_<11>O_9. The NMR data showed that Rosacyanin B had an extremely unique structure whose C-1 position of gallic acid is bound to the C-4 position of cyanidin by C-C bond formation. (Fig.2) Rosacyanin A has λ max 590nm (MeOH) of the ultraviolet and visible absorption spectrum, and a molecular formula of C_<56>H_<37>O_<31> which is calculated from the molecular weight of 1205.1319 obtained from high-resolution mass spectrometry. As a result of the observation of the isotope shift by the DH exchange of the solvent using a coaxial sample tube in ^<13>C NMR, it was found that the 3-position of flavylium of Rosacyanin B is bonded to the hexahydroxydiphenoyl part of Tellimagrandin II which is a kind of ellagitannin with ether linkage. (Fig.4) To our knowledge, this is the first report of the compound whose gallic acid binds to C-4 position of polyhydroxyflavylium. The only similar compound which binds gallic acid to catechin was obtained from Burkea africana and Peltophorum africanum. The dream of blue roses will come true if we can accumulate Rosacyanin A in rose petals.
著者
今田 耕司 田中 良和
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.98-100, 2012-02

お笑いやバラエティー番組などで幅広く活躍するタレント、今田耕司さん。本連載では、テレビのイメージからは想像がつかない「会社を作りたい」という野望をかなえるために、先輩経営者に突撃インタビューする。記念すべき第1回のゲストはソーシャルゲームで急成長中のグリーの田中良和社長。儲かる事業のネタの見つけ方を教えてもらった。
著者
丸山 成和 丸山 典彦 伊藤 宏 田中 良和 植松 典昭
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.330-333, 1983-06-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
12
被引用文献数
1

牛以外の動物, とくに人と豚のアカバネウィルスに対する抗体の保有状況を知る目的で, 両者の血清について, 赤血球凝集抑制 (HI) 反応, 中和 (NT) 試験による調査を実施した. なおHI価10以上, NT価4以上を反応陽性とした.調査期間は人では1977年6月~1979年4月, 豚では1978年9月~1979年2月であった. 調査地域は人では県内8市5町, 豚では9市4町であった. その結果以下の成績を得た.1) 人血清1, 348例のうち1.3%(17/1, 348) がHI陽性であった. これらの陽性例は県東部の隣接田園地区に集中してみられた. 陽性例のHI価は10~40, NT価は4~32であった. なお豚のHI陽性率の高い地域の養豚従事者19人では1例が陽性 (陽性率5.3%) で, そのHI価およびNT価はそれぞれ10および8であった.2) 豚血清1, 134例 (4~5ヵ月齢の肥育豚654頭, 繁殖豚480頭) についてHI価を測定したところ, 1.4%(16/1, 134) の陽性率であった. このうち肥育豚は0.8%(5/654), 繁殖豚は2.3%(11/480) の陽性率であった.陽性例のHI価は10~20, NT価は4~64であった.豚および人は, Vectorの動物嗜好性によることも考えられるが, 牛にくらべて本ウイルスの感染をうけにくいものと推測される.
著者
勝元 幸久 田中 良和
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.122-126, 2005-02-01
参考文献数
10
被引用文献数
1 1
著者
井田 喜明 田中 良和 西村 太志 小屋口 剛博 谷口 宏充 岡田 弘
出版者
兵庫県立大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

本特定領域研究の目的は、火山爆発の素過程や発生機構について学術的な理解を深め、火山災害の軽減に寄与することである。その基礎として、火山爆発の性質を詳細に調べるために、「火山探査移動観測ステーション」が開発され、火口近傍での観測や試料採取、機器の設置を遠隔操作で行うことが可能になった。広帯域地震計や空振計などを用いた観測が、小爆発を繰り返す複数の火山で実施され、爆発に先立って特徴的な膨張や収縮が存在することがつきとめられ、爆発直前に進行する物理過程が明らかにされた。地下のマグマの上昇過程については、室内実験や理論的な考察によって、脱ガスやマグマ破砕の機構が究明された。また、シミュレーションによって、噴火の爆発性を決める原理が見出され、地殻変動の加速性がそれを予測する手段になりうることが示された。地表で進行する爆発現象については、火口から噴出する噴霧流の3次元シミュレーション手法が開発され、噴煙や火砕流を生む物理過程が究明された。また、爆発強度のスケーリングや、爆風に伴う衝撃波のシミュレーションなど、火山爆発の影響を見積もる有力な手法が得られた。本領域の各分野にわたる研究成果を基礎に、噴火現象に関連する各種の知見やデータを集めて、データベースが構築された。このデータベースは、現象の体系的な理解に役立つ。また、本領域で開発された計算コードと合わせて、噴火過程の総合的なシミュレーションをする基本的なツールになり、噴火や火山災害の予測に寄与する。噴火現象の評価や予測のためには、WEBサーバーを用いた合議システムも開発され、専門家の合議を迅速かつ能率的に進めることが可能になった。火山爆発に関する知識を広く普及する目的には、一般向けの講演会が催され、観測や野外実験の一部が公開された。また、研究成果を平易に解説する一般向けの書籍が出版される。