著者
坪井 貴司 原田 一貴 中村 匠 大須賀 佑里
出版者
Japan Society of Neurovegetative Research
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.226-229, 2022 (Released:2022-07-16)
参考文献数
13

小腸上皮内に存在する小腸内分泌L細胞から分泌されるグルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1: GLP-1)は,インスリン分泌を促進し,食欲を抑制する.このGLP-1分泌は,消化管管腔内の様々な物質や血中に含まれる神経伝達物質やホルモン,さらには腸内細菌叢が産生する様々な代謝物などによって制御されているが,その詳細な制御機構は不明である.そこで本稿では,特にアミノ酸や腸内細菌代謝物などがGLP-1分泌に及ぼす影響について紹介する.
著者
大山 吉幸 古河 俊哉 森 利枝 中村 匠吾 田熊 翔 池田 政輝 草ヶ谷 英樹
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.151-156, 2020

<p><b>背景.</b>有瘻性膿胸は内科的治療のみでは治癒が期待しがたく,手術も考慮されるが,年齢や合併症などにより手術が困難な症例もしばしば経験される.<b>症例.</b>85歳男性.右膿胸のために入院となり,胸腔ドレナージと抗菌薬治療を開始した.第5病日より気瘻が出現したため,CTを再検したところ右肺上葉に瘻孔が確認された.ドレナージを継続するも気瘻は持続した.高齢かつ全身状態不良で手術も困難であったことから,EWS(Endobronchial Watanabe Spigot)により右上葉支を充填したところ,気瘻は減少した.しかしそれでも気瘻が持続していたため,感染制御後に自己血癒着を追加したところ気瘻は消失した.<b>結語.</b>本症例のように手術が困難な有瘻性膿胸の症例において,EWSと自己血癒着の併用は有用である可能性があり,文献的考察を加えて報告する.</p>