著者
皆川浩 中村英佑 藤井隆史 綾野克紀
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2019(札幌)
巻号頁・発行日
2019-06-11

新しい材料で実績が少ない場合,現状では浸せき試験や電気泳動試験により,塩害環境下における鋼材腐食の照査に用いる塩化物イオンの見掛けの拡散係数を求めることになる。しかし,これらの試験は実際の環境条件を直接的に考慮した試験方法ではないため,照査結果が過剰に安全側になる可能性がある。本稿では,大気中環境下での曝露試験と浸せき試験によって得られる塩化物イオンの見掛けの拡散係数を比較し,両者の差異の主要因がコンクリート中の含水率にあることを指摘するとともに,照査で用いる塩化物イオンに対する設計拡散係数を求めるために必要となる実環境条件を考慮するための係数を検討した。
著者
中村 英佑 森杉 雅史 井村 秀文
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
環境システム研究論文集 (ISSN:13459597)
巻号頁・発行日
no.31, pp.395-403, 2003
被引用文献数
1

環境公平性を議論する上での1つの規範は, 「人間は全て平等であり, 人間1人当たりに許容される資源消費量と環境負荷発生量は等しくなければならない」というものである.しかし現実には, 1人当たりの資源消費量や環境負荷発生量は国によって大きく異なる. さらに, 経済のグローバル化によって, 世界各国は資源消費と環境負荷の相互依存性を強めており, 自国の環境負荷を他国に転嫁する動きもみられる. 本研究では, アジア太平洋地域を対象として, 産業連関分析により貿易を通じた資源消費と環境負荷の国際的相互依存状態を定量化し, それが環境問題をめぐる国同士の公平性にとって如何なる意味を持つかを検証した. その結果, この地域での資源消費と環境負荷の中心は米国と中国であり, 1人当たりの資源消費と環境負荷には米国と他国との間に格差が存在することが明らかとなった.