著者
湯川 夏子 田中 康代 中村 道彦 木村 晶朗
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.63, pp.105, 2011

【目的】私たちが食事をしておいしいと感じる要因には、食べ物そのものの味やにおい、見た目だけでなく、食事をするときの周囲の環境(食事環境)が挙げられる。本研究では、食事環境として音環境を取り上げ、BGMが食欲に与える影響について検討した。<BR>【方法】2010年11月~12月の10時~12時に、大学生20名を対象に、食欲とBGMの関係性を調べる実験を行った。被験者に食堂の食器一式と料理の画像を見て食事をイメージしてもらいながら、5つの音環境(騒がしい洋楽・穏やかな洋楽・クラシック・学生食堂の録音・BGMを使用しない)において、食欲の増減、音環境の印象について質問紙調査を行った。同時に脳波測定(I-rlx, デジタルメディック社)を行った。統計処理にはSPSS15.0を、脳波解析にはData Make とExcel2010を用いた。<BR>【結果・考察】5つの音環境中、「騒がしい洋楽」で有意に食欲の減退がみられた。音環境の印象調査で、25形容詞対を主成分分析したところ、「優和性」「高尚性」「快活性」「評価性」の4つの因子が抽出された。因子得点より、クラシックで「優和性」「高尚性」が高い、「騒がしい洋楽」で「優和性」が低いという特徴がみられた。各因子と食欲の関係をみると、「優和性」と食欲の間に有意に高い相関がみられた。脳波測定の結果より「脳安静度」を算出したところ、学生食堂の録音やクラシックで安静度が高く、「騒がしい洋楽」では安静度が低かった。「脳安静度」と食欲は -0.63と逆相関がみられ、安静度が高い時、食欲も増すということが明らかになった。以上のことより、食事環境におけるBGMが人の食欲に様々な影響を及ぼしていることが明らかになった。
著者
Cloninger C.Robert 中嶋 照夫 中村 道彦
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.91-102, 1997-02-01
被引用文献数
1 1

人格の7次元モデルは人格障害のすべてについて効率的に鑑別診断し, さらに精神身体疾患を含むほかの精神障害の併害を説明する。人格障害の有無は自己志向(self-directedness), 協調(cooperativeness)と自己超越(self-transcendence)といった性格特性の未発達さによって示唆される。人格障害の特殊な亜型の有無は新奇性追求(noveltysee-king), 損害回避(harm avoidance), 報償依存(reward dependence)と固執(persistence)といったものを含む気質特性のプロフィールにより示唆される。7つのすべての特性は, 「気質性格検査(Temperament and Character Inventory;TCI)」と呼んでいるテストを用いて面接によるか, 自分で質問表に記入することで評価できる。TCIを使用した場合, 気質のそれぞれのタイプが特定化できるので相互に排他的となり, 多くの重複診断を避けることが可能である。気質特性はそれぞれ約50%の遺伝性(heritability)を有し, 遺伝学的には均質で独立している。性格特性の形態は, 精神分裂病, 気分障害と精神身体疾患を含む精神障害に対する感受性を決めている。たとえば, 「タイプA」を示す冠動脈不全の傾向のある人は敵意(低い協調), 慣習的(低い自己超越)と自己主張(高い自己志向)を示す。メランコリー性格はこれら3つのすべての性格次元で低く, 一方, 創造的な性格は3つすべてにおいて高い。循環気質者は自己超越と協調で高いが, 自己志向では低い。分裂病型者は自己超越で高いが, 他の2つの性格次元で低い。TCIは正常および異常人格に対する神経生物学的, 精神力動的, 社会文化的, そして認知行動的なアプローチを統合する概念的規範のうえに基礎をおいている。また, TCIはDSMの第I軸と第II軸の精神障害について実践的で信頼性と妥当性のある臨床鑑別診断法を提供するものである。