著者
中村 麻利子 南条 真佐人
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.621-630, 2022-03-31 (Released:2022-03-31)
参考文献数
22

温泉水中に放射性のラドンガスが含まれていれば簡単に取り出すことができるため,そのような温泉水は放射線教育の教材として容易に活用可能である。しかし,どの温泉水に教材として利用可能なラドンガスが含まれているかを調査研究した例はない。本研究では,全国に点在している温泉の源泉を入手し,霧箱の線源として利用可能かどうかを確認した。霧箱の線源として容易に採取できる温泉の所在マップはこれまでになく,放射線教育の普及のためその作成は重要である。温泉水は採水後ただちに霧箱に活用するのが良いが,採水後数週間経ても利用可能なものも存在するため,教員にとっても取り扱いやすい線源であることが示唆される。