著者
宮城 正行 内田 健太郎 中脇 充章 川久保 歩 井上 玄 高相 晶士
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.6, pp.878-882, 2020-06-20 (Released:2020-06-20)
参考文献数
19

椎間板は非特異的腰痛の一因となる.腰痛のほとんどは自然に改善するが,臨床上問題となるのは腰痛が慢性化する病態である.腰痛の慢性化の機序については,急性腰痛が遷延化した病態と,持続的にトリガーとなる損傷が繰り返し起こる病態の可能性がある.これらの病態に,椎間板内への神経伸長,椎間板内に発現する炎症性サイトカインや神経成長因子といった疼痛関連物質とその発現に関与するマクロファージ,椎間板に持続的に加わるメカニカルストレスが関与している可能性がある.
著者
宮島 玄陽 見目 智紀 中脇 充章 佐々木 秀一 大寺 亜由美 落合 信靖
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.619-622, 2015

肩関節脱臼によって損傷した関節唇が外旋位によって整復されることは知られているが回旋による動態は未だ不明である.我々は手術を行った外傷性肩関節前方不安定症患者10名10肩について,損傷した関節唇の肩関節他動回旋時の動態をCine-MRIを用いて評価した.Cine-MRI上で関節唇が関節窩に圧着された肩関節下垂位での回旋角度(以下圧着角)と関節唇が関節窩から離開した回旋角度(以下離開角)を計測した.平均圧着角は15.7±24.6°,平均離解角は-1.1±20.9°であり,10肩中3肩は内旋域のみでも関節唇の関節窩への圧着がみられた.本研究より,関節唇は外旋により関節窩に圧着されても回旋角度が最大内旋に向かうに従い全例離開してしまうことが確認された.一方で内旋域のみでも角度により関節唇の関節窩への圧着が維持される例を30%認め,内旋位固定でも反復脱に移行しない症例が存在する一因と考えられた.