著者
鬼塚 哲郎 中西 勝彦
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
no.4, pp.29-35, 2014

本研究では、低単位・低意欲層に向けて開講されているキャリア形成支援教育科目「キャリア・Re-デザインⅠ」に登録した受講生が、授業期間中にどのような変化を被り、どのような学びを獲得したのかを分析し、検証する。本科目は2005年の開講以来、自己理解と社会への目線づくりを統合するキャリア教育プログラムとして、グループワークを中心とし、元受講生が学生ファシリテータとしてかかわる独自の授業運営により、徹底した参加型授業を行ってきた。分析にあたっては、受講生が授業期間中に被った変化についてライフストーリーを記述したもののうち、研究目的の利用を許可したものに限って分析を行った。その結果、多くの受講生が対話を通じて他者との親和的な関係を構築し、そのことを契機に変化を促され、閉塞的な価値観および人間関係を相対化する視点を獲得したことが明らかになった。また、授業の立案・運営にあたっては、成果の産出をどうデザインするかという視点とともに、プロセスを意識しつつ授業をデザインすることが重要であるとの示唆を得た。