著者
中原 正樹
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.79-85, 2018-03-31

京都産業大学法学部(以下、「法学部」という。)では、新入生の理解度向上のため、2017 年度より新入生オリエンテーションを一方向型の情報伝達式から、事前学習やアクティブラーニング等の要素を取り込んだ新入生参加型オリエンテーションへと転換を図った。 具体的には、(ア)入学前に導入オリエンテーションを実施し、後の履修オリエンテーションにつながる事前学習を義務付けたこと、(イ)入学後に実施するオリエンテーションでスマートフォンを活用した疑似反転授業を実施したこと、(ウ)学生履修アドバイザーを活用し、新入生の理解度に応じたきめ細かな対応に取り組んだこと等である。 法学部では、これらの取り組みによって、その後の学生からの質問がオリエンテーション内容の再説明を要するものから、説明をふまえたうえでの質問へと質的に変化したことを感じることができた。 本稿では、法学部でのこれらの取り組みを、大人数を対象とした授業やガイダンスにおける学生の集中力や理解度向上のための転用可能な実践事例として報告する。
著者
千葉 美保子
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
no.6, pp.97-102, 2016

学生の自律学習空間「雄飛館ラーニングコモンズ」内に設置されている学習支援カウンターでは、3 名の学習支援員(任期付職員)が常駐しているが、2013 年10 月の仮オープン以降、直接的なスタディ・スキル支援の場としての、また学生と教員・その他の支援機関とを仲介する場としての試行が続けられている。具体的には、(1)雄飛館ラーニングコモンズのスペースを活用した日本語/ 英語ライティング・プレゼンテーションの個別相談対応、(2)日本語/ 英語学習に関するワークショップ実施、(3)ICT 機器の利用相談を通じて、学生に対する学習支援を行っている。さらに、グローバル人材育成事業(現「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援」)の一環として、英語e ラーニングシステムのヘルプデスクを兼ね、ラーニングコモンズを起点として学生の主体的な学びをワンストップで支援している。本報告では、学生に対するヒアリングを通じ学習支援ニーズや学習傾向を改めて分析し、学習支援カウンターにおける主体的な学びを促進するための支援体制の構築へ向けた考察結果を報告する。
著者
鬼塚 哲郎 中西 勝彦
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
no.4, pp.29-35, 2014

本研究では、低単位・低意欲層に向けて開講されているキャリア形成支援教育科目「キャリア・Re-デザインⅠ」に登録した受講生が、授業期間中にどのような変化を被り、どのような学びを獲得したのかを分析し、検証する。本科目は2005年の開講以来、自己理解と社会への目線づくりを統合するキャリア教育プログラムとして、グループワークを中心とし、元受講生が学生ファシリテータとしてかかわる独自の授業運営により、徹底した参加型授業を行ってきた。分析にあたっては、受講生が授業期間中に被った変化についてライフストーリーを記述したもののうち、研究目的の利用を許可したものに限って分析を行った。その結果、多くの受講生が対話を通じて他者との親和的な関係を構築し、そのことを契機に変化を促され、閉塞的な価値観および人間関係を相対化する視点を獲得したことが明らかになった。また、授業の立案・運営にあたっては、成果の産出をどうデザインするかという視点とともに、プロセスを意識しつつ授業をデザインすることが重要であるとの示唆を得た。
著者
迫 宏明 坂之上 茂 吉門 敬二 児玉 英明 森脇 可奈子
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.81-87, 2013-03

本稿では、グローバル化時代の高等教育制度に関する基礎的調査について報告する。「グローバル人材育成推進事業」の開始に伴い、グローバルキャンパスの実現に向けた制度構築の基礎的調査を行うことを目的として、2012年度の後期に、先進的な取り組みをしている大学へのヒアリングと、 フォーラム参加を行った。ここでは、調査から得られたポイントを三つ共有する。第一に、教育情報の公表義務化と大学ポートレート構想について、日本私立大学連盟主催セミナー「私立大学に必要とされる教育情報の公表」の論点を紹介し、本学が検討すべきことを提示する。第二に、創価大学主催セミナー「グローバル化時代の大学教育」で提起された論点の紹介と、本学が検討すべき事項を提示する。第三に、学内文書の英文化に関し、大阪大学と同志社大学の先進的な取り組みをヒアリングした際のポイントと、今後、本学が学内文書の英文化を進める上で留意すべき点について整理する。
著者
山下 辰夫 堀田 幸平 佐藤 克信 林 大介 北波 赳彦
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
no.5, pp.197-203, 2015

近年は大学にグローバル人材の育成が求められており,京都産業大学は,2012 年に文部科学省の「グローバル人材育成推進事業」に採択され,その構想調書のなかで事務職員の語学力向上についても言及している。グローバル人材の定義は様々であり,もちろん一般教養をはじめとした能力も求められるが,語学能力は必須であり,京都産業大学では事務職員を対象に海外語学研修を毎年実施している。本稿は2014 年の夏にタイのチェンマイ大学で今年度より新たに実施された研修に参加した5 名の報告をまとめたものである。研修の内容を中心にまとめており,次年度以降に本研修が継続されるかは現時点では未定であるが,もし継続されるのであれば本稿が研修参加者の参考となれば幸いである。また,本プログラムがより良いものとなるために帰国後に行った振り返りをもとに研修プログラムへの改善等についても言及している。
著者
伊藤 琴音 吉永 一行
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.39-43, 2013-03

法学部准教授、吉永の担当する1年次春学期開講プレップセミナーでは、2012年度に学期を通じて同じ学部の3回生の学生がスチューデントアシスタント(SA)として1年生をサポートするという試みを行った。 法学部では2013年度秋学期よりSAを育成するための演習授業を開講し、2014年度からプレップセミナーにおいて正式にSAを導入することとしている。そこに向けて本稿は、試験的に行われたSA活動について、具体的な内容、また活動を通じて明らかになった課題について記述したものである。
著者
林 隆二 伊藤 琴音 南 太貴 乙倉 孝臣 山内 尚子
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
no.3, pp.59-64, 2013-03-31

2012年6月29日に、ハーバード大学マイケル・サンデルの教授法を題材に、燦結成1周年記念イベント「京都産業大学にとって白熱教室とは?」を、学生FDスタッフ「燦(SAN)」の企画運営により実施した。質の高い学士課程教育が求められる中で、学生の主体的な学びをどう促すか、マイケル・サンデルのような大人数による双方向型授業を導入することにより、教員は教授法をどのように工夫しなければならないのか、履修する学生の姿勢はどう変わらなければならないのか、参加した学生・教員・職員はどう変わろうと思ったのか。本稿では、燦の企画から終了後の振り返りまでの活動記録と、今後の課題と展望について報告する。
著者
山下 辰夫 堀田 幸平 佐藤 克信 林 大介 北波 赳彦
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
no.5, pp.197-203, 2015

近年は大学にグローバル人材の育成が求められており,京都産業大学は,2012 年に文部科学省の「グローバル人材育成推進事業」に採択され,その構想調書のなかで事務職員の語学力向上についても言及している。グローバル人材の定義は様々であり,もちろん一般教養をはじめとした能力も求められるが,語学能力は必須であり,京都産業大学では事務職員を対象に海外語学研修を毎年実施している。本稿は2014 年の夏にタイのチェンマイ大学で今年度より新たに実施された研修に参加した5 名の報告をまとめたものである。研修の内容を中心にまとめており,次年度以降に本研修が継続されるかは現時点では未定であるが,もし継続されるのであれば本稿が研修参加者の参考となれば幸いである。また,本プログラムがより良いものとなるために帰国後に行った振り返りをもとに研修プログラムへの改善等についても言及している。
著者
伊藤 琴音 吉永 一行
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
no.3, pp.39-43, 2013

法学部准教授、吉永の担当する1年次春学期開講プレップセミナーでは、2012年度に学期を通じて同じ学部の3回生の学生がスチューデントアシスタント(SA)として1年生をサポートするという試みを行った。 法学部では2013年度秋学期よりSAを育成するための演習授業を開講し、2014年度からプレップセミナーにおいて正式にSAを導入することとしている。そこに向けて本稿は、試験的に行われたSA活動について、具体的な内容、また活動を通じて明らかになった課題について記述したものである。