著者
中鉢 直宏
出版者
一般社団法人 大学ICT推進協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.29-37, 2023-11-27 (Released:2023-11-27)
参考文献数
16

情報プレースメントテスト(以下:IPT)とは,情報処理学会一般情報教育委員会が実施する,大学初年次の学生を対象に行われるテストである.本研究では,ChatGPTを使用したIPTのための作問支援についてその可能性を検討した.情報分野においてもChatGPTを使用することで,キーワードから設問の作成や既存の設問に対する選択肢の作成が可能であることが分かった.また,作成時に難易度を指定することにより,段階的な出題の傾向が見られた.IPTで使用された既存の設問に対してChatGPTに解かせたところ,高い正答率であった.そして,計算などの問題の間違える傾向について確認することができた.ChatGPTを使った難易度の評価については,大学1年生レベルの平均の難易度と評価され,IPTの作問時に想定した難易度と一致した.しかし,実際の正答率と各設問の難易度の関係は弱い負の相関であった.
著者
中鉢 直宏 稲垣 知宏 河村 一樹
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2022-CE-166, no.6, pp.1-7, 2022-09-24

本研究では,IPT の背景,設問作成,その実施方法について,また成績の傾向について分析を行う.特に分析では,点双列相関係数を使用して,項目難易度のほかに識別力を踏まえて設問の見直しについて例を挙げて説明し,IPT を今後,プレースメントテストとして実施する際の問題点や改善方法を提案する.
著者
中鉢 直宏
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-135, no.12, pp.1-4, 2016-06-25

現在,ビックデータやビジネス・インテリジェンスなどの取り組みにより積極的なデータ利用が行われる様になってきた.データ従事者の日々の業務で入力されるデータの質が重要になってきている.そこで,本論文では,大学の一般情報教育において,データベースを学習するにあたって,情報システムにおけるデータベースの役割を理解するとともに,データ従事者として,彼らが入力するデータへの質について理解を促す学習方法を試みた.
著者
中鉢 直宏
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.551-551, 2018-05-15

Research(機関調査)の略称で,大学などの教育機関を調査・分析することである.IR業務では,大学にあるさまざまなデータを扱うことになる.しかし,それらのデータを分析する際にデータに潜む大学ならではの諸問題が存在している.本文では,この問題を断層と亀裂と呼んで紹介する.断層とは,カリキュラム改変や学部の統廃合などで,大学データの連続性が途切れてしまうことを意味し,亀裂とは,学部学科などの組織の縦割りによるデータの分断のことを意味する.ここでは,IR業務の際に起こる大学のデータの問題について例を挙げて紹介する.