著者
中門 亮太
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、パプアニューギニアにおける土器づくり民族誌調査を通して、土器型式の時期的変化・地理的分布を齎す社会的背景を探ることを目的とした。土器型式の変化においては、親族組織を通じたヒト・技術の移動が大きな影響を及ぼす。地理的分布に関しては、親族組織のつながりや製作技法に差異によって、各地域で在地の型式が成立し、分布圏を持つことが窺える。一方で、型式を超えて存在する儀礼形態が、異系統土器の共存を齎すことが想定される。これらの知見は、縄文土器型式においては、粗製土器や精製土器、特殊遺物などの広がり方と比較しうる。民族考古学的視点から、その背景には親族組織や儀礼形態の存在を垣間みることができる。