著者
土佐 幸雄 中馬 いづみ
出版者
日本植物病理學會
巻号頁・発行日
vol.80, pp.32-39, 2014 (Released:2015-03-30)
著者
高階 空也 中馬 いづみ 亀山 統一 梶村 恒 黒田 慶子
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.130, 2019

<p>日本,台湾を含む世界各地で,2000年代からデイゴの不開花や枯死が増加し,デイゴヒメコバチの寄生が原因とされてきた。しかしKuroda et al. (2017)は,沖縄島のデイゴ衰退木から<i>Fusarium solani </i>種複合体(FSSC)に属する菌(仮称strain A, B)を検出し,接種実験によってそれらの病原性を明らかにした。沖縄島の4地点および沖縄島から400km離れた石垣島で,strain AとはITS領域で1塩基のみ異なるstrain Bと,strain Aとはそれぞれ1塩基,8塩基異なる菌株(仮称strain C, D)を検出した。Strain A, B, Cは養菌性キクイムシと共生関係にある菌の集団Ambrosia <i>Fusarium </i> Clade(AFC)のclade A,strain Dは同様にAFCのclade Bに属することが判明した。石垣島と沖縄島のデイゴ衰退木から合計3種の養菌性キクイムシ<i>Euwallacea </i> spp. が検出されており,その1種ナンヨウキクイムシ(<i>E. fornicatus </i>)は沖縄ではマンゴーの害虫と認識されている。この種は本菌株と近縁でAFCのclade Bに属する菌<i>F. ambrosium </i>(チャの病原菌)と<i>F. euwallaceae </i>(アボカドの病原菌)との共生が知られており,養菌性キクイムシによるデイゴ病原菌の媒介の可能性について今後検討が必要である。</p>