著者
有竹 浩介 鎌内 慎也 丸山 敏彦 星川 有美子 早石 修 永田 奈々恵
出版者
(財)大阪バイオサイエンス研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

チューリヒッヒ大学睡眠研究グループと共同で、睡眠障害患者の脳脊髄液および血液中の睡眠覚醒調節に関与する物質を分析し、健常人と比較した。ナルコレプシー患者では脳脊髄液中のリポカリン型PGD合成酵素濃度が有意に減少していること、パーキンソン病患者では有意に増加していることが判明した。更に、ヒスタミンやアデシンの濃度を調べたところ、脳脊髄液中のヒスタミン濃度は、多発性硬化症患者で増加し、イノシン濃度は、全ての睡眠障害患者で高い値を示した。これらの結果から、脳脊髄液中のL-PGDS、ヒスタミン、イノシン濃度の測定と比較が睡眠障害の新たな診断マーカーになることを見出した。