著者
高橋 幸利 山崎 悦子 西村 成子 角替 央野 丹羽 憲司 Josep Dalmau 今井 克美 藤原 建樹
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.926-929, 2008 (Released:2009-01-15)
参考文献数
8
被引用文献数
7 6

非傍腫瘍性非ヘルペス性急性辺縁系脳炎・脳症(NPNHALE)(成人69例+小児26例)と,卵巣奇形腫を合併する脳炎・脳症症例(NHAE-OT)(19例)を比較検討した.NHAE-OTの臨床特徴は,発病年齢,先行因子から脳炎発病までの日数,初発神経症状,急性期神経症状,髄液所見などの点で,成人のNPNHALEときわめてよく似ていることがわかり,卵巣奇形腫に合併する脳炎・脳症は,急性辺縁系脳炎の特徴を示すことがわかった.抗GluRε2抗体についても,共通性がみられ,両群とも高率に,NMDA型GluRのうちのGluRε2(NR2B)の細胞外ドメイン(N末)をエピトープとする自己抗体を有していた.