著者
久住 庄一郎 揚原 祥子 竹内 由紀子 原田 圭
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.363-372, 2018-03

[要約] 中学校や高等学校での音楽活動は,小学校におけるそれより格段に充実してくる。高等学校ともなれば身体的な発達も著しく,運動競技などと同様に,生徒の演奏能力は既に大人顔負けの場合も珍しくはない。ただ,それはほぼ部活動に限定された現象で,それ以外の生徒は小学校時代から音楽的スキルに大きな変化が無いのが実情ではないだろうか。これは個人差こそあれ,他の教科ではあまり考えられないケースであろう。本論文では,その原因を「ソルフェージュ教育の欠落」に見出した4人の教員養成に関わる教員が,様々な観点からその解決策を提言し,音楽的な本質をいかにして学校教育の中に見出していくべきかを論ずる。
著者
渡部 成哉 久住 庄一郎 揚原 祥子 久住 庄一郎 クスミ ショウイチロウ Kusumi Shoichiro 揚原 祥子 アゲハラ サチコ Agehara Sachiko
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.151-160, 2009-03

教員養成大学音楽科の4年間では,何を,どう学ばせ,その結果どのような技術を持った学生を中学校の教員として送り出せばよいのか,本研究はそういう問いに発している。個別の研究や個々の実践例を除いて,そういう問いを正面から発した例を,浅学にして私(渡部)は知らない。知識に加え,即物的な意味での技術(したがって,ここで言う「技術」は,「効率的に授業を進める技術」というような意味でのそれでないことは断るまでもないだろう)を必要とする科目の教員養成では,合目的的な指導が何よりも重要であろうと思われる。目的はいかなるものであり,その目的に合致した指導はどうあるべきか,声楽および器楽のそうした指導について,シューベルト(Franz Peter Schubert 1797~1828)の作品を例に取り,論じる。