著者
久住 庄一郎 揚原 祥子 竹内 由紀子 原田 圭
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.363-372, 2018-03

[要約] 中学校や高等学校での音楽活動は,小学校におけるそれより格段に充実してくる。高等学校ともなれば身体的な発達も著しく,運動競技などと同様に,生徒の演奏能力は既に大人顔負けの場合も珍しくはない。ただ,それはほぼ部活動に限定された現象で,それ以外の生徒は小学校時代から音楽的スキルに大きな変化が無いのが実情ではないだろうか。これは個人差こそあれ,他の教科ではあまり考えられないケースであろう。本論文では,その原因を「ソルフェージュ教育の欠落」に見出した4人の教員養成に関わる教員が,様々な観点からその解決策を提言し,音楽的な本質をいかにして学校教育の中に見出していくべきかを論ずる。
著者
平尾 和子 三星 沙織 近堂 知子 竹内 由紀子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 70回大会
巻号頁・発行日
pp.80, 2018 (Released:2018-07-28)

【目的】山形県庄内地方では、もち米を笹に包んで煮る「笹巻」と呼ばれる粽が作られている。酒田市周辺では単に湯煮するので白色であるが、鶴岡市周辺では灰汁を用いるために黄色である。本研究では、庄内地方に二種の笹巻が作られるようになった経緯、笹巻作りの現状を調査するとともに笹巻の食文化を次代に伝承する方法について検討した。【方法】文献の渉猟は鶴岡市歴史資料館等で行った。電話調査は平成28年9月~11月に、山形県、新潟県、秋田県、宮城県、福島県の計192ヵ所の市役所・町村役場を対象として行った。アンケート用紙による調査は、平成28年11月~平成29年4月に電話調査で同意が得られた対象を中心に行い、520部を配布して507件の回答を得た(回収率97.5%)。【結果】灰汁を使用した黄色の笹巻に関する記録は、天明8年(1788)の『悪作付書記』が今回確認できた最古の記録であった。電話及びアンケート調査から、庄内地方では現在でもほぼ全ての家庭で笹巻が食べられており、時期は端午の節句の時期であった。自家製造は2世代同居、3世代同居の家庭で主に行われていた。また、使用する笹や紐の種類と扱い方、笹巻の形、加熱時間など、調理法および食べ方に各家庭の特徴が存在することが確認できた。今後、この食文化を伝承する取り組みとしては、動画サイトやDVDに製造工程の画像を残す、各地区婦人部に伝承の協力を仰ぐ方法などが有効であると考えられた。