著者
田中 吉輝 長久保 麻子 東城 幸治
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.129-146, 2010 (Released:2011-08-25)
参考文献数
24
被引用文献数
1 2

北米・フロリダ地方原産のフロリダマミズヨコエビは,1989年に日本(千葉-茨城県境の古利根沼:利根川の河跡湖)で初見された外来ヨコエビである。様々な環境への適応性や繁殖力が強く,現在まで,急激に分布を拡大し,日本広域に棲息している。在来の淡水ヨコエビ類が棲息しないような新しいハビタットにも侵入・定着し,また在来ヨコエビ類の棲息ハビタットへも侵入している。本研究では,在来種のオオエゾヨコエビが棲息するハビタットに外来種フロリダマミズヨコエビが侵入・定着した,長野県安曇野市の蓼川を調査地として,年間を通したそれぞれの個体群動態を調査した。同所的に棲息してはいるものの,棲み場所として利用する沈水植物種レベルでの違いが認められるなど,マイクロハビタット・レベルでのニッチ分割が認められた。また,両種が同所的に棲息することで,それぞれの繁殖時季に若干の相互作用が生じている可能性も示唆された。種間における強い排他性のある競争関係は認められなかったが,これは互いの体サイズに大きな相違があることや,蓼川においては,充分な棲み場環境や餌条件が揃っているためであると考えられる。
著者
久保 麻子
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.32-51, 2020-01-11 (Released:2020-01-11)
参考文献数
31

急速なインターネットの環境改善やスマートフォンの普及により,企業と消費者とのタッチポイントが増えたことで,企業は差別化のために消費者に優れた体験を提供することが求められてきている。消費者に対して製品やサービスを通じて「体験」を提供するという概念は,経営手法に取り入られてきたが,学術的にユーザーエクスペリエンス(UX)の影響を調査した研究はまだ少ない。本研究では,UXとブランドに関する先行研究をレビューした上で,ECサイトにおけるUXのブランド態度に対する影響と,その要素について考察した。そこで,UXの要素を,Peter Morville(2004)が提唱した「UXのハニカム構造」より6つの要素を抽出し,それぞれのブランド態度に対する影響を調査した。結果,実務上UXの設計に利用されている6要素が,学術的にみてもUXを構成する因子となることが確認された。さらに,6要素のうち,4要素がブランド態度に正の影響を及ぼすことも確認されたことは,経営視点において示唆を与えるものである。