著者
久保田 寛和 中沢 正隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-I, エレクトロニクス, I-光・波動 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09151893)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.147-157, 1993-05-25
参考文献数
26
被引用文献数
2

最近,エルビウム光ファイバ増幅器(EDFA)を用いた光ソリトン通信が実現しているが,その中でGordon-Hausジッタ,光増幅器の自然放出光雑音(ASE)の蓄積等による伝送限界が生じてきている.今までこれらの劣化は光ソリトン伝送では不可避なものと考えられてきた.本論文ではこれらの問題点を解決する方法として,伝送クロックに同期した変調を光ソリトンに加えて波形整形を施し,光フィルタによってスペクトルを整える「ソリトン制御」の導入を提案する.そしてこの方法を用いることにより,光ソリトンを無制限の距離にわたって伝送できることを示す.
著者
中沢 正隆 久保田 寛和 山田 英一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-1, エレクトロニクス 1-光・波動 (ISSN:09151893)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.265-277, 1996-08-25
参考文献数
31
被引用文献数
1

最近の光ソリトン通信技術は, エルビウム光ファイバ増幅器の研究開発と共に数々の新しい技術が提案され, 今では優れた光ソリトン通信実験が数多く報告されている. ソリトン伝送にはトランスフォームリミットなパルスが重要であるため本論文ではまず, モード同期半導体レーザ, ファイバレーザ, 利得スイッチ半導体レーザ, 電界吸収形変調器などを用いた光ソリトン発生技術について述べる. 後半ではどのようにしてソリトン伝送が実現されつつあるか,最近の技術展開を含めて報告する. 特に, 分散アロケーションを用いたソリトン伝送はパワーマージンと分散許容度が大きく実用性が高いことを示す.