著者
岡部 亮 久保田 晶子 根本 了 青栁 光敏
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.113-118, 2021-08-25 (Released:2021-09-01)
参考文献数
8

畜産物中のアルベンダゾール代謝物(代謝物I)の分析法として,試料を塩酸酸性条件下で加熱した後,酢酸エチル–n-ヘキサン(1 : 1)混液で脱脂し,代謝物Iをアセトニトリルで抽出後,塩基性条件下で塩析し,スルホン酸塩修飾ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体カートリッジカラムで精製する方法を開発した.測定はLC-MS/MSを用い,イオン化はESI法(ポジティブモード)により行った.また,分析カラムはODSカラム(Inertsil ODS-4),移動相は0.05%(v/v)ギ酸および0.05%(v/v)ギ酸含有アセトニトリルを用いた.4種類の畜産物(牛の筋肉,牛の脂肪,牛の肝臓および牛乳)に対して代謝物Iを残留基準値濃度および定量下限値濃度(0.01 mg/kg)で添加し,開発した分析法により回収試験を行った結果,真度83.6~97.9%,併行精度1.6~6.1%の良好な結果が得られた.
著者
久保田 晶子 藤井 良昭 加賀 岳朗 西村 一彦 上野 健一
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.61-67, 2019-06-25 (Released:2019-08-07)
参考文献数
17
被引用文献数
2

食品中の不揮発性アミン類分析法として,試料からヒスタミン,チラミン,プトレシンおよびカダベリンを5%トリクロロ酢酸溶液で抽出し,強陽イオン交換カラムInertSep MC-1を用いて精製した後,フルオレスカミンで誘導体化し,HPLC-FLで定量,LC-MS/MSで確認する方法を検討した.検討した分析法を用いて,生鮮魚介類,魚介加工品および発酵食品計11食品に不揮発性アミン類を100 mg/kgで添加し,添加回収試験を行った結果,真度81~100%,併行精度0.4~3.1%の良好な結果が得られた.これらの結果から,本法は食品中の不揮発性アミン類分析法として有用と考えられた.
著者
久保田 晶子 岡部 亮 柿本 洋一郎 根本 了 青栁 光敏
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.167-173, 2018-08-25 (Released:2018-08-30)
参考文献数
8

畜産物中のヘキサジノン分析法として,試料からヘキサジノン,代謝物B,代謝物Cおよび代謝物Fをn-ヘキサン存在下アセトニトリルで抽出し,トリメチルアミノプロピルシリル化シリカゲル/エチレンジアミン-N-プロピルシリル化シリカゲル積層ミニカラムで精製した後,LC-MS/MSで定量および確認する方法を開発した.開発した分析法を用いて,牛の筋肉,脂肪,肝臓および牛乳の4畜産物に対し,各化合物を残留基準値濃度および定量下限値濃度(0.0025 mg/kg)で添加し,回収試験を行った結果,真度85.6~96.0%,併行精度0.8~4.9%の良好な結果が得られた.これらの結果から,本法は畜産物中のヘキサジノン分析法として有用と考えられた.