著者
長野 心太 久保田 良浩 高岸 智子 篠塚 淳 青木 昭和
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.81, no.7, pp.1324-1328, 2020 (Released:2021-01-31)
参考文献数
22

妊娠27週5日の32歳,女性.心窩部痛と嘔吐を主訴に救急搬送された.腹部単純CTで中腸軸捻が疑われたため新生児科医および産科医の立ち会いのもと,緊急手術を施行した.Treitz靱帯の形成はなく,上腸間膜動脈を中心として小腸・盲腸・上行結腸が時計回りに360°軸捻転していたため,腸回転異常症に伴う中腸軸捻と診断し,捻転を解除した.腸管の虚血性変化は軽度で腸管切除は要さなかった.術後は一過性に子宮収縮を認めたものの,経過良好で術後9日目に退院となった.妊娠中に生じる中腸軸捻の報告は非常に少なく,国内では2例目である.母児ともに予後良好に治療しえたので報告する.
著者
坂井 幸子 久保田 良浩 加藤 久尚 森 毅 清水 智治 谷 眞至
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.978-984, 2018

<p>症例は在胎30週4日,812 gで出生した女児.日齢36に壊死性腸炎を発症,日齢44に消化管穿孔に対して開腹術を施行し,壊死小腸を切除して残存小腸は約50 cmとなった.術後11日目に母乳を再開し順調に増量できたが,日齢90頃より下痢便が出現,乳糖不耐症を疑いMA-1<sup>®</sup>へ変更し改善した.日齢123に血便,腹部膨満,CRP上昇を認め,消化管アレルギーを疑いエレメンタルフォーミュラ<sup>®</sup>へ変更したが改善せず,1週間絶食後に経腸栄養を再開したが腸管ガス貯留が持続し,腸内細菌異常増殖症(small intestinal bacterial overgrowth;SIBO)を疑いmetronidazoleの投与を開始した.数日後には腸管ガスの著明な減少を認め,経腸栄養再開後も症状の再燃は認めなかった.本症例では未熟性による腸管蠕動不良,壊死性腸炎,消化管アレルギーなどの要因が加わりSIBOを発症したと考えられた.</p>