著者
久保谷 政義 田辺 亮
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.11-24, 2019 (Released:2019-09-30)
参考文献数
16
被引用文献数
2

2017~2018年に大学に入学した者たちは,スマートフォンとSNSの普及というICT環境の変化の中で思春期を送り,「スマホネイティブ」とも呼ばれる世代である.本稿では,彼らのICT活用能力とスマートフォンの利用状況について,大学入学直後に実施したアンケート調査を用いて分析を加える.分析の結果,ICT活用能力のうち,特に情報倫理とメールに関連する知識・スキルは他の知識・スキルとの相関が弱いこと,スマートフォンについては,多様な機能を使うほど,とりわけ,四大SNS(LINE, Facebook, Twitter, Instagram)の使用数が多いほどその使用時間が長くなること,スマートフォンの使用時間の長さは必ずしもICT活用能力の向上に結びつくとは言えないことが明らかになった
著者
久保谷 政義
出版者
NPO法人 日本シミュレーション&ゲーミング学会
雑誌
シミュレーション&ゲーミング (ISSN:13451499)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.127-138, 2003-12-25 (Released:2020-10-23)
参考文献数
24

西欧の連立政権の理論は,「政党システムが決まれば,政権構想が決まる」という,政党システムを独立変数,形成される連立政権を従属変数として規定している.しかし,現代日本政冶を見ると,先に政権構想があって,それに合わせて政党システムを再編しようという議論がなされており,単純な独立変数・従属変数の関係は規定できない.そこで,ゲーミングによって新たな視角から検討しようというのが,『政界再編ゲーム』の作成の動機である.ゲームを作成する過程では,政冶においてはゴールとは何かということに結論が出せないこと,協調と対立が同居していることなどを強く認識する必要があることが再確認された.また,本論文では,政冶とゲーミングシミュレーションの共通点を探ると同時に,今回の『政界再編ゲーム』の作成過程とルールのなかに組み込まれた含意,テストプレイを観察することに得られた知見,題材の特異性について論じる.