著者
九鬼 孝夫 鴨田 浩和 津持 純 岩崎 徹
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.65-70, 2010
参考文献数
4

NHK放送技術研究所で進めている「電波テレビカメラ」の研究を紹介する.電波は霧や煙のような光を遮るものも透過するため,遮へい物に隠れて見えない被写体も撮影できる.事故や火災などの災害報道での利用を目指し,電波を用いて被写体を撮影する技術の研究を進めている.60GHz帯ミリ波を用いた装置を試作し,マネキンを撮影した実験の結果,解像度不足ではあるがマネキンの存在が認識できる程度に撮影できることがわかった.また,霧やカーテン,薄いベニヤ板などの遮へい物越しにもマネキンを撮影できることも示した.ただし,得られた画像の解像度やフレーム周期は不十分であり,改善が必要である.そこで,フレーム周期の高速化を目的とした,電波テレビカメラ受信アンテナ用のリフレクトアレーアンテナの検討結果についても述べる.