著者
馬木 良文 野崎 園子 杉下 周平 椎本 久美子 橋口 修二 乾 俊夫 足立 克仁
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2+3, pp.90-95, 2009 (Released:2009-03-21)
参考文献数
14
被引用文献数
4 1

[目的]口腔内崩壊錠(以下OD錠)は水が無くても服用できる.嚥下障害患者の内服剤としても有用か.ビデオ内視鏡(以下VE)をもちいて検討した.[対象と方法]嚥下障害と診断されたか自覚した6例に,錠剤とOD錠の模擬製剤(dOD)を内服させ,VEで観察した.[結果]錠剤,dODとも正常に内服できたものは2名,錠剤は正常に内服できたが,dODが咽頭に残留したものが2名,錠剤,dODとも咽頭に残留したものが2名であった.dODが咽頭に残留した4例では残留感がなく,服用には反復嚥下やトロミ水の交互嚥下が必要であった.[考察]嚥下障害のある神経疾患患者にとって,OD錠は必ずしも有用とはいえなかった.