- 著者
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竹田 琢
- 出版者
- 日本質的心理学会
- 雑誌
- 質的心理学研究 (ISSN:24357065)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.Special, pp.S133-S140, 2024 (Released:2024-03-20)
大学の授業で行われるグループワークでは,しばしば雑談が行われている。雑談は関係構築機能を有するが,授業内グループワークにおいては学習目標を阻害するものとして扱われ,雑談に焦点を当てた検討はほとんどなされず,その相互行為の内実は明らかにされていない。そこで本研究では相互行為分析の手法を用いて,グループワークにおける雑談に焦点を当て,学生がグループワークにおける雑談を通じて何を達成しているのかについて検討を行う。対象は短期大学の授業における最終回で行われた振り返りを目的とするグループワークである。分析では,まず雑談がグループワークにおいて頻繁に発生していることを検証した。次に相互行為分析により,雑談の前後を含む場面の検討を行った。その結果,学生は雑談することで志向を共有し,全員で新たな話題に参加していることが明らかになった。学生はグループワークを全員が参加できるものにするために,雑談を利用している可能性が示された。