著者
亀田 裕介 岸 浩志 石川 知一 松田 一朗 伊東 晋
雑誌
研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:21888582)
巻号頁・発行日
vol.2016-AVM-95, no.17, pp.1-5, 2016-12-01

本論文では画素毎の動き (オプティカルフロー) による時間外挿フレームを用いた複数参照フレーム動き補償予測方式を提案する.復号済みの連続 2 フレームから僅かな符号量で推定できる画素毎の動きを用いることで,ブロックごとの動きでは必ずしも適切ではない局所的な回転 ・ 拡大縮小 ・ 変形などの動きを補正することができる.ただし,外挿フレームは等速直線運動を仮定しており,またオクルージョンの悪影響もある.外挿フレームを参照ピクチャリストに追加して従来同様にブロックマッチングによる動き補償を行うことで,外挿フレームの欠点を補うことができる.可逆符号化での複数参照フレームの動き補償予測の性能評価の結果,外挿フレームを用いる提案手法の有効性と領域ごとの特性が確認できた.
著者
亀田 裕介 松田 一朗 伊東 晋
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.J292-J298, 2014 (Released:2014-06-25)
参考文献数
14

映像上の動きの算出にはオプティカルフロー推定が用いられているが,奥行き方向の速度は分からない.シーンフローは,ステレオ法とオプティカルフロー推定の拡張版から算出するステレオ映像上のベクトル場であり,奥行き方向の速度を復元できる.シーンフローにより被写体とカメラの3次元的な運動が推定でき,障害物検出や自己位置推定などに利用できる.従来のシーンフロー推定法では,シーンフローの正則条件による過平滑を防ぐために非線型方程式の数値計算が必要であった.さらに,その数値的安定性が画像と正則条件の係数に依存していたため,適切な係数の探索も不可能であった.本稿では,従来のアルゴリズムをまとめ直して単純化し,数値的安定条件の導出により,任意の計算条件で計算できる手法を提案する.これにより,適切な正則条件の係数の探索が可能になる.さらに,誤差解析により,提案法の数値解の精度向上を実証する.