著者
石川 知一 Yonghao Yue 岩崎 慶 土橋 宜典 西田 友是
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2011-CG-144, no.7, pp.1-8, 2011-08-28

本稿では,磁性流体に注目する.磁性流体は,流体と磁性体の両方の振る舞いをし,この特性により,磁場に沿った 「スパイク状」 の形を生成する.磁性流体は,芸術作品として多用される.我々の目標は,磁性流体の芸術作品をシミュレーションすることです.しかしながら,磁性流体のスパイク形状は,完全に物理ベースの方法ではシミュレーションすることが困難であることが知られている.そこで,我々は SPH(smoothed particle hydrodynamics) 法と手続き型のアプローチを組み合わせた,視覚的にもっともらしい手法を提案する.結果として,磁力が印加されるときに磁性流体にスパイク形状が生成される様子をシミュレーションできることを示す.
著者
小島 啓史 竹内 亮太 石川 知一 三上 浩司 渡辺 大地 柿本 正憲 近藤 邦雄
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.1886-1898, 2014-08-15

オーロラのCGアニメーションのために,オーロラ特有の複雑な運動を擬似的に再現する手法を提案する.これまで,オーロラを対象にしたビジュアルシミュレーションの研究が多く行われてきた.しかしながら,実際のオーロラのように分断したり,接続して再統合したりするような複雑な様子を再現できる研究は行われていない.本研究では,分布特性を考慮してオーロラの擬似的な分布を無数の点群で近似する.水平方向に広がる2次元平面上に,ひとつながりになるように複数の点を配置する.この点列に対して,オーロラの分断と再統合の現象を考慮した接続関係の変更処理を行う.点列を切断し一部を分離する処理を行うことで,ひとつながりのオーロラが分断して複数のオーロラになるような様子を再現する.分離した複数の点列が再び接続する処理を行うことで,分断したオーロラのひだが再統合することでひとつながりのオーロラを形成する様子を再現する.また,電磁場計算と流体計算を用いた運動モデルを構築し,ひだの運動を表現する.オーロラの2次元分布を変化させることでオーロラ特有の複雑な運動を再現する.さらに,オーロラの2次元分布をもとに発光過程の計算を行いオーロラの3次元分布を計算する.1/fノイズを用いることで揺らぎのある自然な分布を再現した.この3次元分布をスクリーンに射影し描画することでオーロラのCGアニメーションを生成する.
著者
亀田 裕介 岸 浩志 石川 知一 松田 一朗 伊東 晋
雑誌
研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:21888582)
巻号頁・発行日
vol.2016-AVM-95, no.17, pp.1-5, 2016-12-01

本論文では画素毎の動き (オプティカルフロー) による時間外挿フレームを用いた複数参照フレーム動き補償予測方式を提案する.復号済みの連続 2 フレームから僅かな符号量で推定できる画素毎の動きを用いることで,ブロックごとの動きでは必ずしも適切ではない局所的な回転 ・ 拡大縮小 ・ 変形などの動きを補正することができる.ただし,外挿フレームは等速直線運動を仮定しており,またオクルージョンの悪影響もある.外挿フレームを参照ピクチャリストに追加して従来同様にブロックマッチングによる動き補償を行うことで,外挿フレームの欠点を補うことができる.可逆符号化での複数参照フレームの動き補償予測の性能評価の結果,外挿フレームを用いる提案手法の有効性と領域ごとの特性が確認できた.
著者
鎌田 浩作 石川 知一 竹島 由里子 柿本 正憲
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.183-184, 2016-03-10

近年、コンピューターグラフィックスの技術が向上したことにより、現実に近い表現が可能になっている。経年変化は現実に近いCGを制作するために重要な要素であり、経年変化の1つに金属による錆が挙げられる。錆は雨による水の付着、酸素量や流水の影響によって大きく変化し、モデルの形状と化学反応過程を考慮した錆の生成モデルは存在しない。本研究では、3D空間上で流体シミュレーションを行い3Dモデルと水の付着と流れを計算し、3Dモデルの表面上で進行する錆の様子をテクスチャ画像上で水の厚みと化学反応過程を考慮した錆の進行シミュレーションを行うことによって、現実で生成される錆に近い画像が得られることを確認する。