- 著者
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二宮 隆次
小野 浩幸
野田 博行
- 出版者
- 科学・技術研究会
- 雑誌
- 科学・技術研究 (ISSN:21864942)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, no.2, pp.125-130, 2017 (Released:2018-01-06)
2002年から2010年までの8年6か月間に発刊された新聞記事から、年代別の産学連携活動の内容を読み取るために、分析対象記事に発刊年度の見出しを付して出現パターンの似通った語を探索し、さらに対応分析を行い活動の特徴についてテキストマイニング手法を用い分析した。その結果、①2002年度から2004年度のグループ(黎明期)、②2005年度から2007年度グループ(発展期)、③2008年度から2010年度のグループ(停滞期)の3グループに分類されることがわかった。黎明期では、産学連携の語群は主な活動の語に隣接し、大学、共同研究、教授、特許などの語と近接していることから活発に活動されていることが推測された。また、インキュベーション活動は、主な活動の語群から隔離していたが、施設入居のほか、運営の語が確認され、前向きな活動の実施が推測された。発展期では、インキュベーション活動は主な活動の語群内部に組み込まれ、起業家育成などが活発化していたと推測される。また、産学連携は主な活動の語群に隣接し、学生、製品、特許などの語が増えていることが見て取れた。さらに、ベンチャーキャピタルには、株式、公開、上場、キャピタル、銀行などがグループ化され活発化していたことが推測された。停滞期になると産学連携の語群は、主な活動の内部に組み込まれ、製品や商品開発活動が実施されていたが、インキュベーション活動やベンチャーキャピタルの活動はグループの語数が減少し、新たな起業活動や投資活動は停滞していたものと推測された。以上の結果は、政府による政策やグローバルな経済環境の変動などと一致し、わが国における産学連携活動は、これらに大きく影響していることが明らかになった。