著者
白水 俊次 井上 正一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.708-713, 1993

アルミ基板の上にガドリニュウム系蛍光体(Gd_2O_2S : Tb)と有機感光体(フタロシアニン)とを積層させ, 被検体のX線透視像を実寸大の静電気像に変換する高感度イメージプレートを開発した.この静電気像はトナーで直接現像でき, 短時間で一般の紙を使ってハードコピー化できる.従来のX線フィルムに比べ, 非常に簡便な方法で, 次々にX線の照射条件を変えた結果を記録として得ることができ, 同時に比較診断することができる.感度は従来のX線フイルムー蛍光増感紙方式に比べ1桁高く, 静電写真特有のコントラスト強調効果を利用できる.非破壊検査などでX線照射の条件出し, 低コントラスト欠陥の検知などに適していることを述べる.
著者
井上 正一 黒田 保 吉野 公
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

海洋コンクリート構造物の耐疲労設計法を確立するために,コンクリート強度,主鉄筋量,せん断スパン/有効高比,せん断補強鉄筋量,等を要因に選んだ疲労試験を実施し,先ず,気中と水中における疲労破壊性状の相違と類似点を検討した。その結果,気中と水中での疲労破壊様式は異なり,気中では主鉄筋の疲労破断によって曲げ破壊するはりてあっても水中ではせん断破壊やコンクリート圧潰型の曲げ破壊になりやすいこと,せん断疲労破壊においてはスターラップの疲労破断を伴わないせん断破壊になりやすいこと,などを明らかにした。疲労寿命の予測手法に関しては,鉄筋やコンクリート材料の疲労性状(S-N線式)から部材の疲労寿命を予測する手法を検討した。その結果,水中でのせん断疲労寿命に関しては,せん断補強鉄筋量を多くしても疲労寿命は増加しないこと,コンクリート圧潰型の曲げ疲労寿命に関しては,土木学会「コンクリート標準示方書」の考え方は,疲労寿命予測の精度が悪く,より高精度の新たな予測式を開発する必要のあること,などを明らかにした。また,圧縮域のコンクリートやスターラップにひずみゲージを貼付し,水中における疲労破壊機構を検討した。その結果,スタラップの応力は極めて小さい値でせん断破壊し,スターラップか受け持つ分担せん断力は極めて小さい値で破壊していることを明らかにした。また,水中においてコンクリート圧潰型の破壊をしたはりにおける中立軸高さの変化は,繰返し載荷回数の増加に伴って減少する傾向にあることを明らかにした。損傷を受けたコンクリート構造物の疲労性状や損傷した構造物への新素材の適用による補強・延命効果を検討した研究によれば,コンクリート表面へのエポキシ樹脂塗膜,炭素繊維シートや炭素繊維補強板を適用することによって疲労寿命の延命効果があることを明らかにした。