著者
井内 国光 山口 正隆 野中 浩一 日野 幹雄 畑田 佳男
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_247-I_252, 2016 (Released:2016-08-30)
参考文献数
12

第3世代波浪推算モデルSWANの特性を調べるため,一様風とstormの各条件に対して波の発達・減衰式と海面抵抗係数Cdや時空間解像度を変えた計算を行った.主要な結果として,一様風条件に対し 1) 摩擦速度u*表示の無次元エネルギーε*と無次元吹送距離F*の関係は発達・減衰式の種類により相違し,いずれのε*も経験式による値を上まわる.とくにJanssen式は最も大きいε*を与える.ε*-F*関係に及ぼすCd式の影響は無視しうる.2) ε*-F*関係に及ぼす風速U10の影響はみられない.また,ピーク周期と平均周期の間の勾配値は経験値1.1に近い値をとる.storm条件に対し 3) 各種パラメータ条件下のSWANは高い精度を与えるが,最大波高へのCd式や発達・減衰式の影響はある程度有意である.4) 空間解像度の影響はみられないが,計算時間間隔の影響はJanssen式の場合に有意である.