著者
山口 正隆 畑田 佳男 野中 浩一 大福 学 日野 幹雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_131-I_135, 2011 (Released:2011-11-09)
参考文献数
5

Shallow water wave hindcastings are conducted in the Seto Inland Sea, Ise Bay and Tokyo Bay for each of the so-called 3 giant typhoons in the Showa Era (Muroto Typhoon in 1934, Makurazaki Typhoon in 1945 and Isewan Typhoon in 1959). The computations follow the spatial distribution of time-dependent wave height and maximum value. The sea wind distributions given as the driving forces are estimated using a method which transforms the land-based measurement wind data into the wind data at sea or coastal stations and applies a spatial interpolation technique to the data. The main conclusion is that any of the typhoons may have generated the largest wave height over the past 90 years in the sea area of the typhoon path.
著者
日野 幹雄 片岡 真二 金子 大二郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学講演会講演集 (ISSN:04194918)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-9, 1968-11-25 (Released:2010-06-04)
参考文献数
16

水面に浮ぶ油膜の消波作用は古くから人々の注目した現象であり, これに関する実験もいくつかみられる。しかし風波の発達と特性に対する油膜効果に関するものは意外に少ない。この論文は小型風胴の測定部に水槽部をもうけて, 表記の点について行なった室内実験の報告である。油としては水に溶解性のヤシ油 (ラウリル硫酸ナトリウムC12H25・O・SO3Na) を用いた。油の表面活性作用による表面張力の変化 (減少) と風波発生の限界風速・波高・fetch graph・spectrumなどの関係について種々興味ある結果が得られた。
著者
日野 幹雄 グェン・ソン・フン 中村 健一
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
流れの可視化 (ISSN:02873605)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.203-206, 1981
被引用文献数
3

Lithting with stroboscopes are used for the hydrogen bubble technique to determine the instantaneous velocity field of the two-layered flow. The stroboscopes light simultanously, at constant frequency, 2 or 3 times while the camera shutter is opened. Such, 2 or 3 images of the same moving time lines of hydrogen bubbles are taken on each photograph. During the measurement of the velocities the interfacial waves of the flow are visualized with fluorescin dye. This method is recognized to be useful to detemine the relation between the spatial distribution of the velocities and their turbulent fluctuations and the interfacial waves of the two-layered flow.
著者
井内 国光 山口 正隆 野中 浩一 日野 幹雄 畑田 佳男
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_247-I_252, 2016 (Released:2016-08-30)
参考文献数
12

第3世代波浪推算モデルSWANの特性を調べるため,一様風とstormの各条件に対して波の発達・減衰式と海面抵抗係数Cdや時空間解像度を変えた計算を行った.主要な結果として,一様風条件に対し 1) 摩擦速度u*表示の無次元エネルギーε*と無次元吹送距離F*の関係は発達・減衰式の種類により相違し,いずれのε*も経験式による値を上まわる.とくにJanssen式は最も大きいε*を与える.ε*-F*関係に及ぼすCd式の影響は無視しうる.2) ε*-F*関係に及ぼす風速U10の影響はみられない.また,ピーク周期と平均周期の間の勾配値は経験値1.1に近い値をとる.storm条件に対し 3) 各種パラメータ条件下のSWANは高い精度を与えるが,最大波高へのCd式や発達・減衰式の影響はある程度有意である.4) 空間解像度の影響はみられないが,計算時間間隔の影響はJanssen式の場合に有意である.
著者
山口 正隆 大福 学 日野 幹雄 畑田 佳男 森 正憲 野中 浩一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.116-120, 2006
被引用文献数
1

伊勢湾を対象として, 沿岸部と海上部で取得された風観測資料を用いて1時間ごとの海上風分布のデータセットを9年間にわたり作成し, その平均特性を調べるとともに, これと1点浅海モデルおよび波候解析モデルを組み合わせた波浪の長期推算システムを構築し, その精度を検討した. この結果, 1) 伊勢湾では湾奥から湾外に向けて平均風速が増大するが, 夏季にはSE方向, それ以外の季節ではNW方向の風が卓越し, 湾軸が風の通り道になっていること, 2) 本システムによる外洋性波浪資料はECMWF-WAM解析資料より高い精度をもつことや, 本システムは伊勢湾内外の観測地点の波浪に対して良好な再現能力を有すること, を明らかにした.
著者
日野 幹雄 福西 祐 灘岡 和夫 野上 啓一郎
出版者
東京工業大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1988

植生は、地圏と気圏とを結ぶ径路であり、根系は土壌中の水分や化学物質のシンクである。葉は気圏への水蒸気のソ-スであるばかりでなく、光合成作用によって炭酸ガスを吸収し酸素を放出し、蒸散作用によりあるいは遮蔽効果により気温暖和の作用を行う。本研究は、植生の効果を考慮し地圏と気圏を一体として取扱う水文学の確立のための基礎研究である。1.風洞付きライシメ-タ-による実験:長さ4m、幅35cm、風路部高さ50cm、土壌部高さ50cmの風洞を二台製作し、一台は裸地のままあるいは芝生とし、他の一台は(稲科の)雑草を植え、比較実験を行い、次の結果を得た。裸地、芝生に対し雑草は日射の遮蔽と蒸散の効果により流下方向に大きな気温低下(最大3ー4℃)と湿度上昇(最大5g/m^3)をもたらす。雑草風洞のCO_2シンク量は日射量と、水蒸気ソ-ス量は飽差量と高い相関をもち、土壌水分は2次元的な因子として作用する。熱シンク量は水蒸気ソ-ス量及び流入温度で説明される。2.枯葉の保温効果:芝生とその上に枯葉層を作った場合の冬期夜間の風速・気温・地温等を測定し、長波放射による枯葉層上面の冷却・枯葉層内の保温効果を調べた。3.数値モデルNEO-SPAM,Soil,Plant,Atmospheric Modelの開発とシミュレ-ション:植生の存在を考慮した気流の運動および連続の方程式、熱および炭酸ガスの拡散方程式、根系をシンクとした土壌中の水分移動に関する不飽和浸透方程式、および新たに導いた植生の気孔の蒸発散・光合成作用を表す式により非定常三次元場の数値モデルを開発し、実験結果をシミュレ-トした。また、植生の配列が気候暖和に及ぼす効果を調べた。さらに植生による気候暖和が葉による遮蔽作用よりも、蒸散作用によるものであることを明らかにした。