- 著者
-
井口 貴紀
- 出版者
- 公益財団法人 情報通信学会
- 雑誌
- 情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.2, pp.67-76, 2013 (Released:2013-12-25)
- 参考文献数
- 25
- 被引用文献数
-
3
現代日本ではゲームが社会に浸透して、代表的な娯楽メディアとなっている。これまでゲーム研究はゲームによる身体への影響や、暴力的ゲームの悪影響など送り手側の視点を取った効果研究が中心だった。だがゲームは能動性の高いメディアであり、他メディア以上に受け手側であるユーザーの立場を取った研究が必要である。本研究では若者のゲーム利用動機に注目し「利用と満足研究」の手法を用いて大学生1503名を対象にした量的調査を行った。調査の結果、分類された動機は「空想」「承認」「趣向」「達成」「友達」「学習」「気晴らし」の7つである。その中でも「承認」には競争の要素が含まれていることがわかった。加えて「気晴らし」以外の6つの動機が高いほどゲームへの没入度が高くなることが明らかになった。